100円ショップ、超円安でも絶好調 国内1万店へ

100円ショップ業界が、円安という逆風の中で好調を続けている。大手の一角であるセリアの8月の既存店売上高は前年同月比9.7%増え[2]、帝国データバンクの調べでは大手4社の店舗数は2026年3月末時点で9400店規模に達した[1]。商品の多くを海外で生産する業態にとって円安は原価を押し上げる要因だが、各社は品ぞろえの工夫で利益を確保し、国内1万店が視野に入ってきた。

100円ショップ市場、3年連続で1兆円超え

帝国データバンクが4月に公表した調査によると、ダイソー、セリア、キャンドゥ、ワッツの大手4社の2025年度の市場規模(事業者売上高ベース)は約1兆1100億円の見通しで、前年度から2.7%増えた。3年連続で1兆円を超え、10年前(2016年度)の7369億円から1.5倍に膨らんだ[1]。

店舗網の拡大も続く。大手4社の店舗数は前年から200店以上増え、10年前と比べると約3000店、1.4倍になった。ロードサイドの大型店からスーパー内の小型店まで、年に100店を超える新規出店が続いている[1]。このペースで純増が続けば、数年のうちに国内1万店に届く計算だ。

セリアは客数が伸びる ダイソーは最高益

セリアの8月の月次は、既存店の客数が7.9%、客単価が1.7%それぞれ増え、全店の売上高は13.6%伸びた[2]。

非上場で業界首位の大創産業(ダイソー)は、2026年2月期の連結売上高が7710億円だった。2月末時点の店舗数は国内4784店、海外1107店の計5891店で、日本を含む26の国と地域に広がる[3]。

超円安をかわす「脱・100円」

円安は、商品の多くを海外で生産する100円ショップにとって原価を押し上げる要因だ。それでも各社が利益を確保できている理由の一つが、価格帯の多様化だ。各社は100円商品に加え、150〜500円の中・高価格帯の商品を増やしてきた。帝国データバンクは、この「脱・100円」の品ぞろえが市場の成長をけん引していると分析する[1]。100円で作れない商品は価格を上げて売り、100円の枠には原価の低い商品を厚くする。この組み合わせが、円安による原価上昇を吸収する緩衝材になっている。

節約志向の受け皿に 持続性はどこまで

物価高が長引くなか、生活用品を安く手に入れたい消費者の受け皿として、100円ショップの存在感は増している。値上げが相次ぐ食品やサービスとは対照的に、「基本は100円」という分かりやすさが客を呼ぶ構図だ。

ただ、課題もある。流行の小物に頼れば、ブームが去ったときに売り上げの反動が出やすい。人件費や物流費、店舗の賃料も上がり続けている。国内店舗が1万店に近づけば、出店余地が狭まり、同業同士の客の奪い合いも激しくなるだろう。流行に頼らず、低原価の商品を次々と生み出せるかどうかが、好調を持続させる鍵になりそうだ。

脚注

  1. 帝国データバンク「『100円ショップ』業界調査(2025年度見通し)」(2026年4月2日) https://www.tdb.co.jp/report/industry/20260402-100yenshop25y/
  2. 日本インタビュ新聞「セリア、8月既存店売上高9.7%増、客数7.9%増・客単価1.7%増」 https://www.media-ir.com/news/?p=181112
  3. 大創産業「会社概要」(2026年2月末現在) https://www.daiso-sangyo.co.jp/company/prof_hist
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