
NTT東日本とNTT西日本は9月24日、バーチャルライバーグループ「にじさんじ」とコラボした電報台紙「にじさんじ電報」を10月1日から全国で販売すると発表した[1]。台紙には、にじさんじ所属の壱百満天原サロメさんとソフィア・ヴァレンタインさんが描き下ろしのドレス姿で登場する。台紙料金は3069円で、別途メッセージ料などがかかる[1]。
「にじさんじ電報」はポップアップ式の慶祝用台紙
にじさんじ電報は、結婚や誕生日などのお祝いに使う慶祝用の台紙だ。表面はパーティーの招待状をイメージしたやさしい色合いのデザインで、開くと洋館風のバルコニーにドレス姿の2人が立ち上がるポップアップ仕様になっている[1]。イラストは、この電報のためにイラストレーターの緜(わた)さんが新たに描いたものだ。開いたときの大きさは縦22.5センチ、横50センチある[1]。
目玉は、ライバー本人による手書きメッセージを複製して印刷している点だ。NTT東西はメッセージの内容を「電報を受け取った方だけの特別な楽しみ」と位置づけ、SNSや動画サイトなどで公開しないよう求めている。ライバーのパーツは台紙と一体で取り外せない[1]。
販売期間と申し込み方法
- 販売期間:10月1日午前5時ごろ〜10月31日午後11時(予定数量に達した場合は早期終了)
- 配達期間:10月1日〜11月30日
- 料金:台紙料金3069円(別途メッセージ料などが必要)
- 申し込み:特設サイト、またはNTT東日本・西日本のインターネット電報サービス「D-MAIL」(パソコン・スマートフォン)。電話での申し込みは受け付けない
(出典:NTT西日本のプレスリリース[1])
年9461万通から慶弔中心へ 電報の歩み
電報は、かつては急ぎの連絡を届ける通信手段だった。NTT西日本によると、利用のピークは1963年で、年間9461万通に上った[2]。その後、電話や携帯電話、電子メールの普及で連絡手段としての役割は薄れ、いまは冠婚葬祭やサプライズの贈り物、ビジネスでの祝電などが主な用途になっている[2]。
NTT東西はプレスリリースで、デジタルでのやり取りが多様化する中、丁寧な言葉を届ける体験への関心が高まっていると説明し、今の時代に合った電報の価値を示したいとしている[1]。
電報は「推し活」の受け皿になれるか
今回のコラボは、通信インフラの老舗が、キャラクターやVTuberを応援する「推し活」の需要を取り込もうとする試みといえる。電報は、形の残る贈り物として届く点がデジタルのメッセージとの違いだ。複製とはいえ手書きのメッセージを添え、内容の公開を控えるよう求める設計は、受け取った人だけの特別な体験として価値を持たせる工夫だろう。
一方で、電報は本来、お祝いの気持ちを相手に届けるための手段だ。ファンが自分のために買うグッズとしてだけではなく、結婚や誕生日を迎えた友人や家族に贈る場面で選ばれるかどうかが、この商品の広がりを左右しそうだ。1カ月という短い販売期間で、どれだけの需要を掘り起こせるか。60年以上前にピークを迎えた電報が、新しい使われ方を見つけられるかの試金石になる。
脚注
- NTT西日本(PR TIMES)「大切な想いをVTuberと一緒に届ける『にじさんじ電報』販売開始」(2026年9月24日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000635.000032702.html
- NTT西日本 D-MAIL「明治2年から現在まで…NTT西日本の電報担当社員が語る【電報の歴史】」 https://dmail.denpo-west.ne.jp/column/detail/00007/

