ベルリンの百貨店で日本産米6銘柄を試験販売

農林水産省は2026年10月9日、ドイツ・ベルリンの老舗百貨店「KaDeWe(カーデーヴェー)」で、日本産米の試験販売を行うと発表した[1]。日本産米の試験販売は10月12日から24日まで(18日を除く)で、北海道産「ゆめぴりか」や新潟県産「コシヒカリ」など6銘柄を店頭に並べる[1]。

日本産米の試験販売、6銘柄を並べる

試験販売は、日本の農林水産物・食品の輸出を後押しする「EU農林水産物・食品輸出支援プラットフォーム」が、在ドイツ日本大使館や日本貿易振興機構(ジェトロ)ベルリン事務所と協力して行う[1]。会場はKaDeWe Berlinの6階で、販売時間は現地時間の午前10時から午後8時までとなる[1]。

販売するのは次の6銘柄だ[1]。

  • 北海道産 ゆめぴりか
  • 秋田県産 あきたこまち
  • 宮城県産 ひとめぼれ
  • 山形県産 つや姫
  • 新潟県産 コシヒカリ
  • 熊本県産 森のくまさん

北から南まで産地の異なる銘柄をそろえ、食べ比べられるようにした形だ。農水省は、これを機にドイツでの日本産米の輸出拡大に向けた取り組みを続けるとしている[1]。

欧州で日本食を後押しする「プラットフォーム」

輸出支援プラットフォームは2022年以降、10の国・地域の16拠点に設けられた。構成員はジェトロ、JFOODO(日本食品海外プロモーションセンター)、各国の大使館・総領事館などだ[1]。EU向けの拠点はフランス・パリとベルギー・ブリュッセルに置かれ、日本産品のプロモーションやEUの規制情報の収集・発信を担っている[1]。

今回は、そのネットワークを使ってドイツの首都の有名百貨店に売り場を確保した。日本産米を現地の消費者が直接手に取る機会をつくり、価格や銘柄への反応を確かめる狙いがあるとみられる。

コメ輸出は「量より単価」の流れ

農水省がまとめた商業用米の輸出実績によると、2025年の輸出は4万6573トン、138億8000万円だった[2]。2026年1〜8月は2万7418トン、102億4100万円で、前年同期に比べて数量は11%減った一方、金額は16%増えた[2]。

数量が減って金額が増えたのは、1トンあたりの輸出単価が上がったことを意味する。輸出は量を伸ばすよりも、高く売れる市場を開拓する方向に重心が移りつつある。百貨店での試験販売は、品質やブランドを重視する層に向けた売り方の試金石といえる。

価格の壁と継続的な販路づくり

欧州の消費者にとって、日本から運ぶコメの価格が手の届く水準かどうかが課題になる。試験販売で、どの銘柄がどの価格帯で受け入れられるかを把握できれば、今後の輸出先や売り方を考える材料になる。

一方で、輸出の拡大と国内への安定供給をどう両立させるかも問われる。今回の取り組みが、一過性のイベントで終わらず、継続的な販路づくりにつながるかを見ていきたい。

脚注

  1. 農林水産省「ドイツ国内における日本産米の試験販売について」(2026年10月9日) https://www.maff.go.jp/j/press/yusyutu_kokusai/kaitaku/261009.html
  2. 農林水産省「米の輸出実績」(商業用の米の輸出数量等の推移) https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/kome_yusyutu/attach/pdf/kome_yusyutu-839.pdf
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