建設工事受注、8月は8.6%増 設備工事が24か月連続増

国土交通省が2026年10月13日に公表した8月の建設工事受注動態統計調査によると、建設業者の受注高は9兆9578億円で、前年同月比8.6%増えた[1]。増加は5か月連続となる[1]。電気や空調などの設備工事業は24か月連続で増加した一方、民間の建築工事は不動産業からの受注が大きく減った[1]。

8月の建設工事受注のポイント

  • 受注高合計:9兆9578億円(前年同月比8.6%増)[1]
  • 元請受注高:6兆4897億円(3.3%増、5か月ぶりの増加)。うち公共機関から1兆7844億円(2.2%増)、民間等から4兆7053億円(3.7%増)[1]
  • 下請受注高:3兆4681億円(20.2%増)[1]
  • 業種別:総合工事業5兆6478億円(1.2%増)、職別工事業1兆3335億円(21.0%増)、設備工事業2兆9764億円(19.7%増、24か月連続の増加)[1]

調査は、約48万の建設業許可業者のうち約1万2000業者を対象に毎月行われている[2]。

民間建築は不動産業が半減、工場・発電所は堅調

民間からの受注のうち、1件5億円以上の建築工事・建築設備工事は1兆5593億円で、前年同月比9.3%減った[1]。発注者別では、最も額の大きい不動産業が3946億円と49.2%減り、3か月連続で減少した[1]。

一方、製造業は2885億円で14.5%増え、電気・ガス・熱供給・水道業は1456億円と前年の10倍を超えた[1]。工事の種類別では「工場・発電所」が3783億円で最も多く、「事務所」(2685億円)、「住宅」(2592億円)が続いた[1]。

土木工事と機械装置等工事(1件500万円以上)は1兆118億円で25.0%増えた[1]。製造業からの機械装置等工事が3022億円と最も多かった[1]。

公共工事は国の発注が伸びる

公共機関からの受注工事(1件500万円以上)は1兆6622億円で3.7%増えた[1]。国の機関からは4503億円(11.2%増)で、うち国からの発注が3100億円と51.2%増えた[1]。地方の機関からは1兆2119億円(1.2%増)で、工事分類別では「道路工事」(4023億円)が最も多かった[1]。

年度累計でも6.7%増、ただし中身には偏り

資料の時系列表から2026年度の4〜8月の累計を計算すると、受注高は約53兆5016億円で、前年同期(約50兆1249億円)を6.7%上回る[1]。受注の総額は、建設需要が底堅いことを示している。

ただ、伸びの中心は設備工事や工場・発電所、機械装置の工事で、製造業やエネルギー関連の投資に支えられている面が大きい。内閣府が10月15日に公表した8月の機械受注統計でも、民間設備投資の先行指標は前年同月比18.6%増と高い伸びだった[3]。企業の設備投資の強さが、建設受注にも表れているといえる。

不動産開発の慎重さは広がるか

気がかりなのは、不動産業からの建築受注の落ち込みだ。3か月連続の減少で、8月は前年の約半分にとどまった[1]。建設費の上昇や金利の動向を受けて、マンションやオフィスなどの開発計画を見直す動きが出ている可能性がある。

設備投資に支えられた受注の増加が続くのか、不動産開発の慎重さが広がるのか。11月10日に公表予定の9月分で、こうした傾向が続くかどうかを確かめたい[1]。

脚注

  1. 国土交通省「建設工事受注動態統計調査報告(令和8年8月分)」記者発表資料(2026年10月13日) https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002026160.pdf
  2. 国土交通省「建設工事受注動態統計調査報告(令和8年8月分)」(2026年10月13日) https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001397.html
  3. 内閣府経済社会総合研究所「機械受注統計調査報告(令和8年8月実績)」(2026年10月15日) https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2026/2608juchu-1.pdf
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