
総務省は2026年10月28日、国有の基地などがある市町村に配る2026年度分の基地交付金と調整交付金の交付額を決定した[1]。基地交付金は297団体に307億4000万円、主に米軍施設がある市町村を対象とする調整交付金は51団体に78億円で、合計は385億4000万円(対象は実数で298団体)になる。
2026年度の基地交付金と調整交付金
- 基地交付金:307億4000万円(297団体)
- 調整交付金:78億円(51団体)
- 合計:385億4000万円(延べ348団体、実数298団体)
基地交付金の正式名称は「国有提供施設等所在市町村助成交付金」、調整交付金は「施設等所在市町村調整交付金」という[1]。国が持つ施設には固定資産税がかからないため、その代わりとして所在する市町村に配られる財源だ。
県別では沖縄、市町村別では岩国市が最多
総務省が公表した交付額一覧[2]から都道府県ごとに合計すると、上位は次のとおりだった。
- 沖縄県:約76億6000万円(うち調整交付金 約48億5000万円)
- 神奈川県:約64億円(同 約8億6000万円)
- 東京都:約41億6000万円(同 約4億6000万円)
- 青森県:約28億6000万円(同 約8億3000万円)
- 山口県:約28億2000万円(同 約3億2000万円)
市町村別では、米海兵隊岩国航空基地がある山口県岩国市が約25億1000万円で最も多い。神奈川県横須賀市(約23億5000万円)、青森県三沢市(約21億6000万円)、東京都福生市(約17億7000万円)、沖縄県沖縄市(約14億6000万円)、神奈川県相模原市(約13億8000万円)が続く。
調整交付金の6割は沖縄へ
二つの交付金の配分を見比べると、沖縄の位置づけの違いが浮かぶ。基地交付金だけで見ると沖縄県分は約28億円で、神奈川県(約55億円)や東京都(約37億円)を下回る。ところが調整交付金では、沖縄県分が総額78億円の約62%を占める。
調整交付金は、米軍が使う施設の資産などに税金をかけられないことを補う性格を持つ。沖縄市への配分のうち約9億9000万円が調整交付金であるように、米軍施設が集中する沖縄では、この交付金が県内の配分を大きく押し上げている。
税の代わりという性格をどう見るか
両交付金は、基地があることで市町村が得られない税収を補う財源だが、総額は毎年度の国の予算で決まる。上位の岩国市や三沢市では、1団体で20億円を超える額が配られており、基地の所在が自治体財政に占める重みは小さくない。
配分の地図は、全国の基地負担の偏りをそのまま映している。年末に向けた2027年度予算の編成で交付金の総額がどう扱われるかが、基地を抱える市町村にとって次の関心事になる。
脚注
- 総務省「令和8年度分基地交付金及び調整交付金の決定」(2026年10月28日) https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu05_02000100.html
- 総務省「令和8年度国有提供施設等所在市町村助成交付金及び施設等所在市町村調整交付金(交付額一覧表)」(2026年10月28日) https://www.soumu.go.jp/main_content/001097086.pdf

