衆院憲法審、29日に国民投票広報協議会の規程を議論

衆議院憲法審査会は2026年10月29日午前10時から、今国会2回目の審査会を開く。議題は、憲法改正の発議後に国民への広報を担う「国民投票広報協議会」の関係諸規程だ[1]。7月に成立した改正国民投票法は10月末に施行を迎え、政府は27日の閣議で国民投票法の施行令を改める政令を決定した[2][3]。

29日の衆院憲法審査会、何を話し合うか

衆院憲法審査会の開会予定によると、29日の案件は「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件」で、括弧書きで「国民投票広報協議会の関係諸規程」と示されている[1]。今国会では10月22日に1回目の審査会が開かれ、スイス、ハンガリー、イタリアの憲法と国民投票制度を調べた議員団の報告を聞いた[4]。

前の国会(第221回国会)では、緊急事態条項や9条、参院選の合区などをテーマに討議を重ね、7月まで計14回開かれた[4]。今回は、改憲案の中身ではなく、発議後の手続きを支える組織の運営ルールに焦点を当てる。

憲法審が議論する国民投票広報協議会とは

国民投票広報協議会は、国会が憲法改正を発議したときに国会に設けられる組織だ。国民投票法によると、委員は発議時の衆院議員と参院議員から各10人を、会派の議員数の比率に応じて選ぶ。発議に反対した会派からも委員が出るよう、できる限り配慮すると定めている[5]。

協議会の主な仕事は次のとおり[5]。

  • 改憲案や要旨、新旧対照表のわかりやすい説明、賛成・反対の意見を載せた「国民投票公報」の原稿づくり
  • 投票所に掲示する改憲案の要旨の作成
  • テレビ・ラジオでの広報放送と、新聞での広報広告(賛成・反対の政党等の意見広告を含む)

法律は、放送や広告で協議会が行う広報を「客観的かつ中立的に」行うよう求めている[5]。ただ、協議会がどう議事を進め、事務局をどう置くかといった運営の細かな規程は、まだ定まっていない。発議があってから急いで決めれば、賛否どちらかに有利なルールだと疑われかねない。今回の議論は、その器を平時のうちに用意する作業にあたる。

改正国民投票法は10月末に施行

改正国民投票法は、議員立法として衆院憲法審査会に提出され、6月19日に衆院本会議で可決、7月24日に参院本会議で成立し、7月31日に公布された[3]。衆院では自民党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党、チームみらいが賛成し、日本共産党が反対した[3]。

法案要綱によると、改正の柱は次の3点だ[6]。

  • 投票立会人を、その投票区の有権者に限らず、国民投票の投票権を持つ人から選べるようにする
  • 開票立会人を選べる範囲を広げ、離島などで投票区とは別に開票区を設ける場合の手続きを整える
  • 改憲案の広報放送を、AM放送の設備に加えてFM放送の設備でもできるようにする

施行は公布から3カ月を過ぎた日とされ、10月末にあたる[6]。27日に閣議決定された政令は、この施行にあわせて施行令を改めるものだ[2]。要綱は改正を「投票環境整備のための公職選挙法改正並びの改正」と位置づけており、選挙で先に進んだ見直しを国民投票にもそろえる内容といえる[6]。

CMやネット広告のルールは手つかず

一方、要綱を見る限り、今回の改正に政党のテレビCMやインターネット広告に関する規定は含まれていない[6]。協議会の運営規程が固まっても、ネット上の情報発信のルールは空白のまま残る。発議の議論が具体化する前に、どこまで手続き面の整備を進められるかが、今国会の憲法審の焦点になる。

脚注

  1. 衆議院「憲法審査会」(今後の開会予定、2026年10月27日更新) https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/index.htm
  2. 首相官邸「令和8年10月27日(火)定例閣議案件」 https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2026/kakugi-2026102701.html
  3. 衆議院「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案(第221回国会衆法第11号)審議経過情報」 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE28DE.htm
  4. 衆議院憲法審査会「会議日誌・会議資料(第222回国会・第221回国会)」 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/222.htm
  5. e-Gov法令検索「日本国憲法の改正手続に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC1000000051
  6. 衆議院憲法審査会「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案要綱」(第221回国会衆法第11号) https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/221shuho11youkou.pdf/$File/221shuho11youkou.pdf
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