
飲食料品の消費税率を2027年4月から2年間、1%に引き下げる消費税減税法案が2026年10月20日、衆議院本会議で審議入りした[1]。片山さつき財務相が法案の趣旨を説明し、6会派が質問に立って高市早苗首相が答弁した[1]。法案には、働く人を対象とした新たな給付「就業者負担軽減支援金」の創設も盛り込まれている[2]。
20日の衆院本会議
本会議は午後1時に開会し、約2時間20分にわたって法案の趣旨説明と質疑が行われた[1]。質問に立ったのは、自由民主党・無所属の会、中道、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党、チームみらいの6会派だった[1]。答弁には高市首相と武部新農林水産相が立った[1]。
法案は10月9日に衆議院に提出された[3]。正式な名称は「租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案」で、今国会の内閣提出法案の1番目にあたる[1][3]。
消費税減税法案の中身
飲食料品の税率を1%に
- 期間:2027年4月1日から2029年3月31日まで[2]
- 税率:国の消費税を0.78%とし、地方消費税と合わせて1%にする。地方消費税の減収分は地方特例交付金で埋める[2]
- 事業者向けの特例:簡易課税制度や中間申告、総額表示義務などについて特例を設ける。定期購入や通信販売の予約分には、税率の経過措置を置く[2]
働く人への「就業者負担軽減支援金」
- 対象:勤労所得が一定額を超え、合計所得が一定額以下で、税・社会保険料の負担が一定額を超える人など[2]
- 支給:毎年1回。額は前年の所得や、19歳未満の扶養親族の数などに応じて決める(2027・28年度は16歳未満)[2]
- 費用の負担:3分の2以上を国が持ち、残りを都道府県と市区町村が半分ずつ負担する[2]
- 手続き:公金受取口座を登録している人は、市区町村長が職権で支給を認定できる[2]
財源については、特例公債(赤字国債)に頼らず、歳出・歳入全般の見直しで確保すると法案の概要に明記している[2]。内閣府には支援金を担当する「租税・社会保険料負担に関する総合調整本部」を置く[2]。
金額の多くは政令に委ねる
支援金の対象となる所得の線引き、支給額は、いずれも「政令で定める額」とされている[2]。概要は、税制や社会保険の状況、就業を促す効果、国内外の負担率などを考えて決めるとしているが、具体的な数字は示していない[2]。
このため、法案を読んだだけでは、どの所得層がいくら受け取れるのかは分からない。消費税の引き下げは店頭の価格を通じて誰にでも届く一方、支援金は対象の条件しだいで届く範囲が大きく変わる。国会審議では、政令に委ねる部分の考え方をどこまで答弁で示せるかが、法案の評価を分ける材料になる。
店の準備は施行の半年前から本番
税率の引き下げは2027年4月1日に始まる[2]。飲食料品を扱う店や事業者は、レジや会計システムの税率設定、値札の表示、定期購入の契約の扱いを見直す必要がある。法案は簡易課税や総額表示などに特例を設けたが、事業者が具体的な手順を決めるには、法案の成立と関連する政令・通達がそろうことが前提になる。
2年後の2029年4月には税率が元に戻る予定で、事業者は引き下げと引き上げの2度の切り替えに備えることになる。臨時国会の審議日程の中で法案がいつ成立するかは、そのまま事業者の準備期間の長さに響く。臨時国会の召集時の論点は臨時国会召集時の焦点をまとめた記事でも整理している。
脚注
- 衆議院インターネット審議中継「2026年10月20日 本会議」 https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56452&media_type=
- 内閣官房・財務省「『租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案』について」(2026年10月) https://www.cas.go.jp/jp/houan/261009/jinkousenryaku_shiryo1.pdf
- 衆議院「議案審議経過情報」(同法律案) https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE342E.htm

