
半導体の検査装置(テスター)を手がけるアドバンテストは2026年10月28日、2026年4〜9月期(中間期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比60.5%増の8452億円、営業利益は96.5%増の4568億円で、売上高と各段階の利益はいずれも中間期として過去最高を更新した[1]。あわせて2027年3月期の通期業績予想を引き上げた。
アドバンテストの中間決算、主な数字
- 売上高:8452億円(60.5%増)
- 営業利益:4568億円(96.5%増)
- 税引前中間利益:5102億円(121.3%増)
- 中間利益:3681億円(116.8%増)
- 海外売上比率:99.4%(前年同期98.3%)
税引前利益が営業利益を大きく上回ったのは、投資有価証券の評価益などで約570億円の金融収益を計上したためだ[1]。期中の平均為替レートは1ドル160円で、前年同期の146円より円安だったことも利益を押し上げた。
SoC向けとメモリ向けがそろって伸びる
主力のテストシステム事業部門は、売上高が61.2%増の7702億円、セグメント利益が89.4%増の4556億円だった[1]。会社の説明によると、データセンター向けのAI関連SoC(システム・オン・チップ)半導体の生産量が増え、構造も複雑になったことで、SoC用テスターの販売が伸びた。メモリ用でも、データセンター投資を背景にDRAM向けが増え、不揮発性メモリ向けも伸びた。
サポートや消耗品を扱うサービス他部門も、売上高が53.7%増の750億円、セグメント利益が209億円と大きく伸びた。テスターの設置台数が増えると保守や検査用ボードの需要も増えるため、装置の販売増が時間差でこの部門を押し上げる構図になっている。
通期予想、7月から再び引き上げ
通期予想は、7月時点の数字から次のように修正した[1]。
- 売上高:1兆7140億円→1兆8630億円
- 営業利益:8460億円→9670億円
- 当期利益:6600億円→7415億円
修正後の営業利益は前期比93.7%増で、ほぼ倍増となる。下期の想定為替レートは1ドル150円と、上期の実績より円高に置いている。会社は、暦年2026年の半導体テスター市場が過去最大を更新するとみている。
株主還元では、上限1100万株・2800億円の自社株買いを決めた。取得期間は10月29日から2027年3月24日まで[2]。中間配当は前年同期の29円から1株49円に増やす[3]。
需要より供給が制約に
今回の決算から読み取れるのは、テスターの需要そのものよりも、つくる側の制約が業績を左右する段階に入りつつあることだ。会社は、AI投資の広がりでメモリ半導体などの主要部品の需要が供給を上回っているとして、生産能力の増強とサプライチェーンの強化を急ぐ方針を示した[1]。9月末の棚卸資産は3月末の2317億円から3524億円に増えており、部品を先回りして確保している様子がうかがえる。
米国の大手IT企業は10月下旬から決算発表が続いている(米IT大手決算、28日から AI投資の伸びが焦点)。データセンター投資の計画が維持されるかどうかは、テスターの受注にそのまま響く。中東情勢による物流費の上昇は限定的とみているが、下期の想定より円高が進めば、上方修正した利益の一部を削ることになる。
脚注
- アドバンテスト「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年10月28日) https://www.advantest.com/ja/news/2026/mpd9kn0000000ger-att/J_FR_FY2026_2Q.pdf
- アドバンテスト「自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせ」(2026年10月28日) https://www.advantest.com/ja/news/2026/mpd9kn0000000gfl-att/J_Info_20261028_02.pdf
- アドバンテスト「剰余金の配当(中間配当)に関するお知らせ」(2026年10月28日) https://www.advantest.com/ja/news/2026/mpd9kn0000000gg0-att/J_Info_20261028_03.pdf

