石狩湾新港でアカカミアリ、幼虫も確認 累計1440匹

北海道石狩市の石狩湾新港で9月に見つかった外来アリ「アカカミアリ」について、環境省は2026年10月22日、10月18日の防除作業中に幼虫2匹を新たに確認したと発表した[1]。働きアリは9月以降の累計で約1440匹にのぼる[1]。発表は北海道、石狩市、石狩湾新港管理組合と同時に行われた[1]。

アカカミアリは、外来生物法の特定外来生物のうち、見つけたら緊急に拡散防止の措置が必要な「要緊急対処特定外来生物」に指定されている[1]。環境省は北海道や石狩市と協力し、発見場所の調査と駆除を続けて定着を防ぐとしている[1]。

アカカミアリ、石狩湾新港での確認の経緯

最初の発見は9月9日、環境省が全国の港湾で行っている調査の中だった[1]。調査を請け負った事業者が、コンテナヤードの舗装の継ぎ目からアリ約700匹が出入りしているのを見つけ、翌10日に専門家がアカカミアリと確認した[1]。

日付 確認した数
9月9日 働きアリ約700匹(最初の発見)
9月17日 働きアリ約400匹
9月27日 働きアリ約50匹
10月4日 働きアリ約60匹
10月11日 働きアリ約150匹
10月18日 働きアリ約80匹、幼虫2匹

発見当日から殺虫成分を含む餌(ベイト剤)を置き、その後ほぼ週1回のペースで調査と駆除を重ねている[1]。それでも働きアリは毎回見つかっており、10月11日には前週より多い約150匹が確認された[1]。

幼虫の確認は何を意味するか

これまで見つかっていたのは働きアリだけだった[1]。幼虫が見つかったことは、近くで女王アリが卵を産み、巣が営まれている可能性をうかがわせる。駆除を始めてから1か月以上たっても働きアリが減りきらないことと合わせると、巣を突き止めて根絶できるかどうかが今後の焦点になる。

環境省北海道環境局は、北海道や石狩市、港の管理組合などに対し、発見場所と周辺の点検を求めた[1]。コンテナや積荷で疑わしいアリを見つけた場合は、密閉して逃げ出さないようにし、すぐ環境省に連絡するよう依頼している[1]。ヒアリ類と確認されれば、コンテナや積荷に移動の制限や消毒・廃棄の命令が出ることもある[1]。

2017年以降218件、北海道では2例目

環境省がまとめたアカカミアリの確認事例は、2017年以降で218件にのぼる[2]。大半は東京港、横浜港、名古屋港、神戸港など本州以南の港湾やコンテナヤードで、北海道では苫小牧市の苫小牧国際コンテナターミナルで約20匹が見つかった例がある[2]。一覧に載る北海道の事例は、今回の石狩湾新港で2例目となる[2]。

一覧をみると、近年は港のコンテナヤードの地面で、土の中に出入りする姿が確認される例が目立つ[2]。積荷にまぎれて運ばれてきたアリが、港の敷地に住みつこうとしている段階とみられる。

寒冷地の港も監視の対象に

冬の寒さが厳しい北海道は、本州以南の港に比べて外来アリが住みつきにくいとみられがちだ。ただ今回は、9月から10月にかけて1か月半にわたり活動が続き、幼虫まで見つかった。冬の寒さで自然に死滅するのを待つのではなく、気温が下がる前に巣を見つけて駆除できるかが、定着を防ぐうえで重要になる。

港で働く人がアリを見つけた場合の対応や、刺されたときの相談先は、環境省の「ヒアリ相談ダイヤル」などで案内されている[3]。港湾関係者だけでなく、輸入品を扱う倉庫や事業者にも、疑わしいアリに注意を払うことが求められる。

脚注

  1. 環境省「石狩湾新港におけるアカカミアリの確認について」(2026年10月22日) https://www.env.go.jp/press/press_05781.html
  2. 環境省「アカカミアリ確認事例(2017年以降)」 https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/02_general/file/akakamiari_ichiran.pdf
  3. 環境省「要緊急対処特定外来生物ヒアリに関する情報」 https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/hiari.html
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