
積水化学工業が2026年10月30日に発表した2026年4〜9月期(中間期)の連結決算は、売上高が前年同期比11.4%増の7017億円、営業利益が33.0%増の604億円だった[1]。売上高、営業利益、経常利益はいずれも中間期として過去最高を更新した。好調を受け、2027年3月期の売上高と営業利益の予想を引き上げた。
積水化学の決算、4〜9月期の主な数字
決算短信による主な数字は次のとおり[1]。
- 売上高:7017億円(前年同期比11.4%増)
- 営業利益:604億円(同33.0%増)
- 経常利益:614億円(同25.5%増)
- 純利益(親会社株主に帰属):347億円(同9.7%増)
同社は、中東情勢の悪化で原料や部材の価格が上がり、調達にも制約が出るなかで、販売価格を速やかに改めたことが増益につながったと説明している[1]。製品の供給不安から流通段階で在庫を積み増す動きや、需要の前倒しも売り上げを押し上げた。純利益は特別損失を計上したため、伸びが営業利益より小さかった。
4部門すべて増益、管材は利益率10%超
部門別の売上高と営業利益は次のとおり[1]。
- 高機能プラスチックス:売上高2641億円(18.2%増)、営業利益383億円(35.1%増)
- 住宅:売上高2787億円(7.8%増)、営業利益167億円(3.0%増)
- 環境・ライフライン:売上高1232億円(10.0%増)、営業利益131億円(63.3%増)
- メディカル:売上高452億円(2.2%増)、営業利益49億円(9.5%増)
稼ぎ頭の高機能プラスチックスは、半導体向けの需要を背景にエレクトロニクス分野の主力製品が伸び、車のヘッドアップディスプレイ用の中間膜や航空機向けも好調だった[1]。環境・ライフラインは、住宅向けの管材で流通の在庫積み増しによる出荷増があり、営業利益が6割以上増えて利益率は10%を超えた。
住宅部門では、新築住宅の市況悪化で売上棟数は減った[1]。受注も棟数では前年同期の98%にとどまったが、集合住宅など高価格帯の商品が伸びて金額では102%となった。リフォームや賃貸管理、買取再販が伸び、部門全体では増収増益を確保した。期間中には、国内のノーブルホームや未来都市開発、豪州のAusbuild Groupの株式を取得する契約も結んでいる。
通期予想を上げ、年間配当は82円に
2027年3月期の連結業績予想は、売上高を1兆4084億円から1兆4910億円(前期比13.9%増)に、営業利益を1150億円から1230億円(同15.5%増)に、それぞれ引き上げた[1]。純利益は760億円(同1.1%増)で据え置いた。中間配当は従来予想から1円増やして41円とし、年間配当は前期より2円多い82円を予定する。
会社側は、不透明な市況が続き、中間期の需要前倒しの反動も一定程度見込むとしたうえで、価格差(スプレッド)の維持と高付加価値品の拡販で期初の予想を上回るとみている[1]。
上期の追い風は「前倒し」、下期は反動との綱引き
今回の増益の一部は、中東情勢による供給不安が生んだ一時的な需要に支えられている。管材などで流通在庫が積み上がった分は、下期に出荷の減少として跳ね返る可能性がある。通期の営業利益予想1230億円から上期の604億円を差し引くと、下期は626億円となり、上期とほぼ同じ水準を見込んでいる計算だ。
前倒しの反動を抱えながら上期並みの利益を出すには、値上げで確保した価格差を保てるかと、半導体や航空機向けなど需要の底堅い分野がどこまで伸びるかが鍵になる。新築住宅の市況が弱いなかで、住宅部門がリフォームや賃貸管理でどこまで補えるかも、来年2月ごろの第3四半期決算で確かめられる点だ。
脚注
- 積水化学工業「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年10月30日) https://www.sekisui.co.jp/ir/pdf/summary/20261030kc.pdf

