
NTTソルマーレは2026年10月29日、不正アクセスを受けて10月15日から停止していた電子書籍ストア「コミックシーモア」について、購入済み作品のブラウザでの閲覧など一部の機能に限ってサービスを再開したと発表した[1]。停止から2週間ぶりの再開だが、作品やポイントの購入、本棚アプリでの閲覧などはまだ使えない。
コミックシーモア、再開した機能と止まっている機能
同社の発表による、10月29日時点の状況は次のとおり[1]。
- 再開:購入済み作品のブラウザでの閲覧、読み放題サービスのブラウザでの利用、会員情報の変更、月額メニューと読み放題サービスの解約申請
- 停止中:本棚アプリの利用(近日再開予定)、作品とポイントの購入(決済手段ごとに順次再開予定)、新刊の自動購入、サイトの退会、ポイントや購入の履歴の確認、新規会員登録
再開した機能を使うには、パスワードの再発行が必要になる[1]。同社は10月21日の時点で、再開時には全会員にパスワードの再設定を求める方針を示していた[2]。
流出はシステムログから最大約420万件
同社が10月21日に公表した第4報によると、流出が確認された情報は2種類ある[2]。
- 会員データベースの登録情報:319件(メールアドレス、ハッシュ化されたパスワード、ニックネーム、生年月日、性別)
- システムのログファイル上の情報:最大約420万件(メールアドレス、ニックネーム、生年月日、性別。同じ会員の重複を含む可能性がある)
ログファイルの情報にパスワードは含まれていない[2]。クレジットカードの情報は対象のシステムに保管しておらず、流出していないとしている。購入履歴の流出や、購入した作品を並べる「MY本棚」の消失も確認されていないという。
10月18日の第3報の時点では、流出の対象件数は「精査中」だった[3]。その後、一部のシステムログも閲覧・取得されていたことが分かり、件数が大きく膨らんだ。
停止中の料金とポイントの扱い
同社は、読み放題や月額メニューの料金について、サービスを使えなかった期間に自動で引き落とされることは基本的にないと説明している[1]。一部の決済手段では引き落としがありうるが、対象者には個別に対応する。停止期間中に有効期限が切れたポイントについても、後日対応するとした。
あわせて、流出した情報を悪用した不審なメールへの注意を呼びかけている[1]。同じメールアドレスとパスワードの組み合わせを他のサービスで使っている場合は、そのサービスのパスワードも変えるよう求めた。
「買った本が読めない」状態の重さ
電子書籍は、紙の本と違い、購入した作品を読めるかどうかが運営会社のシステムに左右される。2週間にわたって購入済みの作品すら読めなかったことは、利用者にとって大きな不便だった。同社が購入済み作品の閲覧を最優先で再開したのも、その重さを踏まえたものだろう。
一方で、作品の購入はまだ再開しておらず、ストアとしての売り上げは止まったままだ。決済手段ごとの順次再開がどこまで早く進むか、そして約420万件の流出を受けて会員がどれだけ戻るかが、事業への影響を測る目安になる。原因や再発防止策の詳しい説明も、信頼回復には欠かせない。
脚注
- NTTソルマーレ「『コミックシーモア』サービスの一部再開のお知らせ(第5報)」(2026年10月29日) https://www.nttsolmare.com/press/2026/1029.html
- NTTソルマーレ「『コミックシーモア』お客様の情報流出に関するご報告(第4報)」(2026年10月21日) https://www.nttsolmare.com/press/2026/1021.html
- NTTソルマーレ「『コミックシーモア』会員情報の流出に関するご報告(第3報)」(2026年10月18日) https://www.nttsolmare.com/press/2026/1016-1.html

