国民生活世論調査、政府への要望「物価対策」72%で最多

内閣府が2026年10月30日に公表した「国民生活に関する世論調査」(速報)で、政府が今後力を入れるべきこと(複数回答)として「物価対策」を挙げた人が72.5%と最も多かった[1]。「医療・年金等の社会保障の整備」が61.9%、「景気対策」が57.0%で続いた。暮らしの満足度は半数を保った一方、収入や貯蓄への不満が根強いことも示された。

国民生活世論調査、政府への要望の上位

政府への要望で割合の高かった項目は次のとおり[1]。

  • 物価対策:72.5%
  • 医療・年金等の社会保障の整備:61.9%
  • 景気対策:57.0%
  • 高齢社会対策:49.2%
  • 防衛・安全保障:40.8%
  • 少子化対策・こども政策:37.9%
  • 防災:37.5%

調査は全国の18歳以上の日本国籍を持つ5000人を対象に、9月3日から10月11日まで郵送で行った[1]。速報値は10月2日までに届いた2719人分(回収率54.4%)で集計している。この調査は1957年度から原則毎年行われ、今回で69回目になる。

生活「低下」が31.6%、「向上」は5.4%

暮らしの実感に関する主な結果は次のとおり[1]。

  • 去年と比べた生活:「向上している」5.4%、「同じようなもの」62.6%、「低下している」31.6%
  • 今後の生活の見通し:「良くなっていく」7.1%、「同じようなもの」62.6%、「悪くなっていく」28.9%
  • 現在の生活への満足度:「満足」(「まあ満足」を含む)51.4%、「不満」(「やや不満」を含む)48.0%

生活の面ごとの満足度では、お金にかかわる項目の不満が目立つ。所得・収入に「不満」は63.7%、資産・貯蓄に「不満」は70.0%にのぼった[1]。

不安の中身は健康と老後

日頃の生活で悩みや不安を感じている人は2102人で、回答者の8割近くを占めた[1]。その内容(複数回答)は、「自分の健康」が63.4%、「老後の生活設計」が60.9%、「今後の収入や資産の見通し」が59.7%と上位に並んだ。「家族の健康」は48.6%、「現在の収入や資産」は48.3%だった。

物価高の実感、数字に表れる家計の重さ

政府への要望で物価対策が7割を超え、2位以下を大きく引き離したことは、物価の上昇が家計の最大の関心事になっていることを示している。総務省が10月30日に公表した10月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年同月比2.6%上昇しており[2]、物価高は長引いている。

去年より生活が「低下している」と感じる人が、「向上している」人のおよそ6倍いる点も見逃せない。政府は飲食料品の消費税率の引き下げや冬の光熱費支援を打ち出しているが[3]、要望の上位には社会保障や景気対策も並ぶ。目先の負担軽減にとどまらず、収入の先行きや老後への不安にどう応えるかが、物価対策と並んで問われている。

脚注

  1. 内閣府政府広報室「国民生活に関する世論調査(速報)」(2026年10月30日) https://survey.gov-online.go.jp/202610/r08/r08-life/gairyaku_kokuminseikatsu_r.pdf
  2. 総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)10月分(中旬速報値)」(2026年10月30日) https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
  3. 首相官邸「中東情勢を踏まえた『緊急的激変緩和措置』の今後の対応についての高市内閣総理大臣記者会見」(2026年10月29日) https://www.kantei.go.jp/jp/105/statement/2026/1029kaiken.html
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