こどもNISA、10月から口座受付 年60万円まで非課税

18歳未満の子どもを対象にした新しい非課税投資制度「こどもNISA」の口座開設の受け付けが、10月から証券各社で始まる。制度そのものは2027年1月に始まるが、楽天証券や松井証券、三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)などは10月1日から申し込みを受け付ける[1][2][3]。楽天証券は現金を贈る特典を用意するなど、制度開始前から顧客の取り込みを図っている[1]。

こどもNISAの仕組み

こどもNISAは、0〜17歳の子どもが対象の少額投資非課税制度だ。主な仕組みは次のとおり[4]。

  • 年間の投資上限は60万円
  • 非課税で保有できる上限は600万円
  • 投資対象は、大人のNISAの「つみたて投資枠」と同じく、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託に限る
  • 非課税で保有できる期間に期限はない
  • 18歳になると、大人のNISAの「つみたて投資枠」に自動で移る

12歳から払い出しが可能に

使い勝手を左右するのが、お金を引き出せる時期だ。原則として18歳までは払い出せないが、12歳以降は、学校の入学金や授業料など子どものための支出で、子ども本人が同意していれば、必要な書類を出して払い出せる[4]。中学や高校への進学など、教育費がかさむ時期に使えるようにした。

2016年に始まった旧制度の「ジュニアNISA」は、原則18歳まで払い出せない制約などが敬遠され、利用が伸びないまま2023年末で新規の投資が終わった。ジュニアNISAは非課税期間が原則5年で個別株も買えたが、こどもNISAは非課税期間を無期限とし、払い出しの条件を緩める一方、投資の対象を投資信託に絞った[4]。長期で積み立てる使い方を想定している点が大きな違いだ。

特典で顧客を呼び込む証券会社

楽天証券は10月1日から、条件を満たした利用者に現金を贈るキャンペーンを予定している。子どもについては、こども口座の開設と「こどもNISA」口座の申し込みで1000円、楽天銀行の口座開設と入金で1000円、親権者は楽天証券と楽天銀行の口座開設などでそれぞれ1500円がもらえ、親子1組で最大5000円になる[1]。月100円から投資信託を積み立てられることや、楽天グループのサービスでためたポイントを投資に使えることも打ち出している[1]。

各社が力を入れる背景には、子どもの口座が長い付き合いの入り口になるという計算がある。こどもNISAの口座は18歳で大人のNISAに引き継がれるため、最初に選ばれた会社は、その子が大人になった後の資産形成まで取り込める可能性がある。親や祖父母の口座とあわせて家族単位で顧客をつかむ狙いもあるだろう。

祖父母からの贈与の受け皿にも

こどもNISAは、祖父母から孫への資金援助の受け皿としても使える。祖父母から孫へ資金を贈り、それを孫名義のこどもNISAで運用する使い方だ。贈与税には、贈与を受ける人1人あたり年110万円の基礎控除がある[5]。ほかに贈与を受けていなければ、年60万円の投資枠に収まる額の贈与で贈与税がかかることは通常ない。ただし、口座は子ども本人の財産であり、親や祖父母が自分のお金を名義だけ借りて運用する形にならないよう注意が必要である。

教育資金は「使う時期」を意識して

非課税で長く運用できる仕組みは、子育て世帯にとって心強い選択肢になる。ただ、投資信託は値下がりすることもある。教育資金は使う時期がおおむね決まっているため、大学入学の直前に相場が大きく下がれば、必要な額に届かないおそれがある。受験や入学が近づいたら少しずつ現金に移すなど、使う時期から逆算した計画が欠かせない。

口座開設の手続きや特典の条件は会社によって異なる。制度の開始は1月だが、慌てて特典目当てで選ぶより、手数料や扱う投資信託の品ぞろえ、家族の口座との使い勝手を比べて決めたい。子どもと一緒に値動きを見守ることは、お金について学ぶ機会にもなるはずだ。

脚注

  1. 楽天証券「【こどもNISA】10月1日(木)より口座開設受付開始!」(2026年9月14日) https://www.rakuten-sec.co.jp/web/info/info20260911-02.html
  2. 松井証券「『こどもNISA』のお申込みを受け付けます(10/1~)」(2026年9月3日) https://www.matsui.co.jp/news/2026/detail_0903_02.html
  3. 三菱UFJ eスマート証券「『こどもNISA』口座の開設申込受付を2026年10月1日より開始予定」(2026年8月17日) https://kabu.com/company/pressrelease/20260817_1.html
  4. 楽天証券「こどもNISAとは?制度内容やジュニアNISAとの違いを解説」 https://www.rakuten-sec.co.jp/web/nisa/under_age/
  5. 国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm
おすすめの記事