豪雨・台風25号の災害復旧、査定を簡素化 国交省

国土交通省は2026年10月26日、2026年の梅雨前線豪雨から台風25号までの一連の気象現象で被災した道路や河川などの災害復旧を早めるため、査定の手続きを簡素化すると発表した[1]。書類だけで復旧費を決める「机上査定」の対象を広げ、現地で決められる金額の上限も引き上げる[1]。

一連の災害は「令和8年梅雨前線豪雨から台風第25号までの一連の気象現象による災害(仮称)」として、地域を限らない「本激」の激甚災害に指定される見込みになっている[1]。

災害復旧の査定を簡素化、主な内容

災害査定は、国の補助を受けて復旧工事をするために、国が被害の状況と復旧にかかる費用を確かめる手続きだ。今回の主な措置は次のとおり[1]。

  • 机上査定の拡大:通常は1000万円未満の箇所に限る書類だけの査定を、自治体ごとに引き上げた上限まで認める
  • 現地で決められる額の引き上げ:河川や道路などで、査定の現場で復旧費を決められる上限を4億円未満から7億円未満に
  • 設計書の簡素化:既存の地図や航空写真を使い、測量や図面の作成を一部省く
  • 工事の一体扱い:工期や発注の単位に合わせて、複数の被災箇所をまとめたり分けたりして一つの工事として扱う
  • 早期確認型査定:被災箇所が市で60か所、町で30か所、村で20か所を超える場合、復旧方法を決める前に査定官が被害を確かめ、技術的な助言をする

千葉市は1億400万円まで書類で査定

河川や海岸、砂防、道路、橋、上下水道などの施設の机上査定の上限は、自治体ごとに次のように引き上げられた(一部は先行して決まっていた個別の災害の上限を引き継ぐ)[1]。

  • 千葉市:1億400万円
  • 千葉県:8000万円、富山県:8000万円
  • 青森県:6000万円
  • 山形県・群馬県・名古屋市:5000万円
  • 新潟県・石川県:4000万円
  • 徳島県:3000万円、栃木県:2900万円、福井県:2100万円、熊本県:1200万円

公園では千葉県が4000万円、千葉市が1100万円となった[1]。千葉県と千葉市の上限が特に高いのは、8月の千葉豪雨や台風25号で被害が集中したためとみられる。

激甚指定の範囲は台風25号まで広がった

内閣府は8月27日の時点で、梅雨前線豪雨と8月の千葉豪雨などによる災害を激甚災害に指定する見込みだと発表していた[2]。農地や農道などの復旧への国の補助率を上乗せする措置などで、過去5年の平均では農地の補助率が86%から97%に上がるとしていた[2]。その後、台風7号・8号や8月下旬の大雨、9月の台風25号までを一連の災害としてまとめる形になった[1]。

技術職員の不足を手続きで補う

被災箇所が多い市町村では、査定の書類づくりや現地での立ち会いに技術職員が追われ、本格的な復旧工事に取りかかるまで時間がかかりやすい。机上査定や一体の工事扱いを広げる今回の措置は、少ない職員で多くの箇所を処理するための手当てといえる。

一方で、手続きを簡単にしても、工事を請け負う建設会社や資材の確保が追いつかなければ復旧は進まない。梅雨から秋まで災害が続いた地域では、冬場の工事が難しい雪国も多い。年内にどれだけの箇所で査定を終え、来春の工事シーズンに着工できるかが、今後の復旧の速さを左右するだろう。

脚注

  1. 国土交通省「令和8年梅雨前線豪雨から台風第25号までの一連の気象現象による災害(仮称)で被災した、道路・河川等の迅速な復旧を支援」(2026年10月26日) https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo06_hh_000365.html
  2. 内閣府(防災担当)「令和8年梅雨前線豪雨、令和8年8月千葉豪雨等による災害に係る激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定見込みについて」(2026年8月27日) https://www.bousai.go.jp/pdf/260827-3.pdf
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