
センサーや測定器を手がけるキーエンスは2026年10月29日、2027年3月期の中間決算(2026年3月21日〜9月20日)を発表した[1]。売上高は前年同期比34.9%増の7354億円、営業利益は50.0%増の4082億円で、純利益も49.4%増の2986億円と、前年同期から大きく伸びた。中間配当は1株325円とし、11月21日付で普通株式1株を5株に分割する。
キーエンス中間決算の主な数字
決算短信に示された中間期の業績は次のとおりだ[1]。
- 売上高:7353億9900万円(前年同期比34.9%増)
- 営業利益:4082億6200万円(50.0%増)
- 経常利益:4243億4800万円(48.9%増)
- 親会社株主に帰属する中間純利益:2986億7500万円(49.4%増)
前年同期の伸びは売上高5.8%増、営業利益3.1%増にとどまっていた。増収の幅が一気に広がったうえ、利益の伸びが売上の伸びを上回った。売上高に対する営業利益の割合は前年同期の50%弱から55%台に上がった。
地域別の説明、アジアは半導体関連がけん引
会社は決算短信で、世界経済について製造業を中心に設備投資が続き、各地域で堅調だったと説明している。地域ごとには、北中南米で幅広い業界が堅調だったこと、アジアで半導体・電気精密業界を中心に成長が続いたこと、欧州で持ち直しの動きが続いたこと、国内でも設備投資が回復基調だったことを挙げた[1]。
キーエンスの製品は工場の自動化や品質検査に使われるため、業績は世界の製造業の設備投資に左右されやすい。今回の数字は、半導体や電子部品の生産投資が広がり、ほかの業種にも投資の動きが及んでいることを示している。
配当と株式分割、自己資本比率は93.7%
中間配当は前年同期の275円から50円増やして325円とした[1]。11月21日を効力発生日として1株を5株に分割するため、期末配当の予想は分割後の株数で65円と示している。分割を考えない場合の期末配当は325円、年間では650円となり、前期の550円から100円増える計算だ。
財務面では、9月20日時点の総資産が3兆9551億円、純資産が3兆7049億円で、自己資本比率は93.7%だった[1]。投資有価証券が1775億円増えたことが総資産の増加に寄与した。
下期も設備投資の勢いが続くかが分かれ目
今回の決算短信には通期の業績予想の数値が載っておらず、下期の見通しは数字で示されていない。上期の伸びを支えた半導体関連の投資の勢いがほかの業種へどこまで広がるかで、通期の着地は変わりうる。株式分割で投資単位が下がることは、個人投資家にとって株を買いやすくなる変化だ。
脚注
- キーエンス「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年10月29日) https://www.keyence.co.jp/pdf/EarningsRelease_202610_ja.pdf

