
北朝鮮は2026年10月29日午後0時36分ごろ、弾道ミサイルの可能性があるものを発射した。防衛省と内閣官房によると、朝鮮半島東岸付近に落下したと推定され、日本の領域や排他的経済水域(EEZ)への飛来は確認されていない[1]。現時点で航空機や船舶への被害も報告されていない。韓国軍は、東部の元山付近から短距離弾道ミサイル10発以上が日本海に向けて発射されたと発表した[3][4]。
北朝鮮の弾道ミサイル発射、日本政府の対応
高市早苗首相は報告を受け、午後0時38分に次の3点を指示した[1][2]。
- 情報収集・分析に全力を挙げ、国民に迅速・的確な情報提供を行うこと
- 航空機、船舶等の安全確認を徹底すること
- 不測の事態に備え、万全の態勢をとること
政府は官邸の危機管理センターに置いている「北朝鮮情勢に関する官邸対策室」で関係省庁の情報を集め、緊急参集チームを招集して対応を協議した。防衛相も、米国や韓国と緊密に連携して情報を分析することと、警戒監視に万全を期すことを指示した[1]。政府は一連の北朝鮮の行動について、日本と地域、国際社会の平和と安全を脅かすものだとしている。
韓国軍の発表、約250キロ飛行
韓国の合同参謀本部によると、ミサイルは午後0時30分ごろ、東部の元山付近から日本海に向けて発射された。飛行距離は約250キロで、韓米両国が詳しい性能を分析しているという[3][4]。合同参謀本部は、追加の発射に備えて監視と警戒を強めるとともに、韓米日で北朝鮮の弾道ミサイルに関する情報を緊密に共有していると説明した[4]。
コリア・ヘラルドによると、北朝鮮の弾道ミサイル発射は今年17回目で、10月12日以来17日ぶりとなった[3]。
10月だけで3回目、変わる撃ち方
北朝鮮は10月に入り、3日、12日に続いて3回目の発射に踏み切った。12日の発射では、防衛省によると2発のうち1発が最高高度約70キロで910キロ超を飛んでおり[5]、低い高度で遠くまで飛ぶミサイルの性能を試したとみられていた。
今回は飛行距離が約250キロと短い一方、発射数は10発以上にのぼった。短距離のミサイルを短時間にまとめて撃つ形は、射程の長さではなく数で相手の迎撃態勢に負担をかける狙いがあると考えられる。10月12日の遠距離型、29日の多数発射と、撃ち方を変えながら発射を重ねている。
短期間の連続発射、警戒態勢の長期化が課題に
日本政府は今回も、追加で公表すべき情報が入れば速やかに発表するとしている[1]。月に3回のペースで発射が続けば、自衛隊の警戒監視や、日米韓の情報共有の態勢を長く張り詰めた状態で維持することになる。発射の数や種類の分析結果が、今後の防衛省の発表でどこまで示されるかが次の確認点だ。
脚注
- 防衛省・内閣官房「(お知らせ)」(2026年10月29日) https://www.kantei.go.jp/contents/topics/71563_ext_2_0.pdf
- 首相官邸「北朝鮮からの弾道ミサイルの可能性があるものの発射に関する総理指示(12:38)」(2026年10月29日) https://www.kantei.go.jp/jp/105/discourse/20261029shiji.html
- The Korea Herald "N. Korea launches SRBMs toward East Sea"(2026年10月29日) https://www.koreaherald.com/article/10919068
- EDAILY "Joint Chiefs of Staff: North Korea Fires Over a Dozen Short-Range Ballistic Missiles Toward the East Sea"(2026年10月29日) https://en.edaily.co.kr/news/eda202610295453/
- 防衛省「北朝鮮のミサイル等関連情報」(2026年10月12日) https://www.mod.go.jp/j/press/news/2026/10/12e.html

