
農林水産省、経済産業省、国土交通省、防衛省は2026年10月20日、国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」の開幕日に予定されている航空自衛隊ブルーインパルスの展示飛行で、国産SAF(持続可能な航空燃料)を使うと発表した[1]。燃料の原料となる家庭の廃食用油を集めるキャンペーンも、12月9日から始める[1]。
国産SAFの使用と廃食用油回収の概要
- 使う場面:2027年3月19日、GREEN×EXPO 2027開幕日のブルーインパルス展示飛行[1]
- 燃料:国内の工場で製造した国産SAF[1]
- 原料の回収:家庭から出る使用済みの食用油。期間は2026年12月9日から2027年2月28日まで[1]
- 回収場所:回収が始まる12月9日までに、農林水産省とFry to Fly Projectのホームページで知らせる[1]
- 連携先:4省のほか、廃食用油の回収を進める「Fry to Fly Project」[1]
Fry to Fly Projectには333の企業・自治体・団体が参加し、日揮ホールディングスが事務局を務める[1]。集めた油は国内のSAF製造工場で燃料に加工され、展示飛行に使われる[1]。
SAFとは何か、なぜ廃食用油なのか
SAFは「Sustainable Aviation Fuel」の略で、化石燃料以外の原料からつくる航空燃料を指す[1]。廃食用油はその代表的な原料の一つで、航空分野の二酸化炭素排出を減らす手段として導入の拡大が期待されている[1]。
Fry to Fly Projectは「すてる油で空を飛ぼう」を掲げ、家庭や学校などから出る廃食用油を集める活動を各地で続けてきた[3]。今回の回収も対象を家庭系の油に絞っている[1]。家庭の油は一度に出る量が少なく、ふだんはごみとして処理されやすいため、回収の仕組みを国の行事と結びつけて知ってもらう狙いがある。
花博の開幕日に合わせた理由
GREEN×EXPO 2027は、横浜市の上瀬谷地区で2027年3月19日から9月26日まで開かれる国際園芸博覧会だ[2]。自然の力を暮らしに生かす知恵を見直し、持続可能な社会づくりに役立てることを目的に掲げる[1]。開幕の空を飛ぶブルーインパルスに国産SAFを使えば、博覧会の主題と燃料の話が一つの場面で結びつく。
ブルーインパルスの展示飛行は、多くの人が空を見上げる行事だ。家庭で出した油がその燃料の一部になると分かれば、油を捨てずに回収へ出す動機づけになりやすい。
一度きりの催しで終わらせないために
今回のキャンペーンで集まる量は、展示飛行で使う分が目安になる。航空会社が日常の便でSAFを使うには、はるかに多くの原料を毎年安定して集める必要がある。家庭の油は一軒あたりの量が少なく、集める手間がかかる点が課題になる。
回収期間は2027年2月末までの約3か月で、回収場所は12月9日までに示される[1]。どの地域で、どれだけの拠点が用意されるかが、家庭系の油を燃料に回す仕組みがどこまで広がるかを測る最初の材料になる。
脚注
- 農林水産省「ブルーインパルスによる展示飛行に国産SAFを使用し、原料となる廃食用油を回収するキャンペーンを実施します」(2026年10月20日、経済産業省・国土交通省・防衛省と同時発表) https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/bio_g/261020.html
- 2027年国際園芸博覧会協会「GREEN×EXPO 2027」公式サイト https://expo2027yokohama.or.jp/
- Fry to Fly Project 公式サイト https://www.fry-to-fly.com/

