ドンキのPPIH、トイザらス日本事業を承継へ

玩具店「トイザらス」とベビー用品店「ベビーザらス」を運営する日本トイザらス(川崎市)が10月1日、東京地裁に民事再生手続きの開始を申し立てた。負債総額は約132億円[1]。同じ日、ディスカウント店「ドン・キホーテ」を展開するPPIHが、スポンサーとして店舗とネット通販の事業を引き継ぐ契約を結んだと発表した[3]。

PPIHがトイザらス日本事業を承継、10月30日に譲渡

事業を譲り受けるのは、PPIHが全株式を持つ子会社オペレーションシェアードサービス(OSS)だ。譲渡の実行は10月30日を予定しているが、民事再生法に基づく裁判所の許可が得られることなどが前提になる[3]。

  • 負債総額:132億2600万円(債権者1159人)[1]
  • 店舗:6月末時点で158店。山梨県と島根県を除く45都道府県に展開[2][4]
  • 従業員:約3911人(6月末時点)[4]
  • 譲渡の範囲:店舗とオンラインで営む玩具・子ども用品などの販売事業[3]

PPIHは、日本トイザらスの従業員をできる限り全員引き継ぐとしている。そのため、閉鎖が決まっている店を除く全店の承継について、店舗の貸し主に協力を頼む考えだ[3][4]。買収の狙いについては、ファミリー層など新たな顧客層と事業領域を得て、顧客生涯価値(LTV)を高めることを挙げた[3]。

売上高はピーク時の4割以下に

日本トイザらスは、大型店に大量の玩具を並べる米国流の売り方で、日本の玩具販売を変えた存在だった。

しかし、業績は長く低迷していた。売上高はピークだった2007年1月期の約1943億円から、2025年12月期には約752億円まで縮小した[1]。2019年1月期以降は最終赤字が続いていた[1]。希望退職などのリストラも、立て直しには至らなかった[1]。

少子化とネット通販に押された

経営難の背景には、2つの大きな変化がある。1つは少子化だ。子どもの数が減れば、玩具やベビー用品の市場そのものが縮む。もう1つはネット通販との価格競争である。同じ商品がネットで安く買えるようになり、大型店に足を運ぶ理由が薄れた[1]。

玩具は、誕生日やクリスマスなど特定の時期に需要が集中する商品でもある。広い売り場と在庫を抱える大型店の仕組みは、売り上げが落ちると固定費の重さがそのまま収益を圧迫する。

ドンキ流で再生できるか

PPIHは、長崎屋やユニーなど経営不振の小売りを傘下に収め、独自の品ぞろえと売り場づくりで立て直してきた実績がある。トイザらスの店舗網とブランド、子育て世帯の顧客基盤は、PPIH自身が「新たな顧客層」と位置づける層そのものだ。グループの調達力や売り場づくりのノウハウと組み合わせられれば、相乗効果は小さくない。

PPIHは説明資料で、トイザらスを「おもちゃ屋」から、大人も楽しめる「アソビ業態」へ組み替える方針を示した。キャラクター商品やホビー、駄菓子などの関連商材を増やし、第1弾として11月から全店でクリスマス企画を始めるという[4]。ただ、少子化という構造的な逆風は変わらない。店舗の売り場がどこまで変わり、子育て世帯以外の客をどれだけ呼び込めるのか。10月30日の事業譲渡の後、その中身が問われる。

脚注

  1. 東京商工リサーチ「日本トイザらス(株)(神奈川)が民事再生=負債132億2600万円」(TSR速報、2026年10月1日) https://tsr-net.co.jp/news/tsr/detail/1203287_1521.html
  2. 激流オンライン「PPIHがトイザらスの日本事業買収を発表」(2026年10月) https://gekiryu-online.jp/2026/10/256532
  3. パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「日本トイザらスとの事業譲渡契約締結に関するお知らせ」(2026年10月1日) https://ppih.co.jp/news/pdf/261001.pdf
  4. パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「日本トイザらス株式会社事業譲渡契約締結について」(説明資料、2026年10月1日) https://ppih.co.jp/ir/library/earnings/pdf/b7434043d4601e5b6a375312b8a2b18e.pdf
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