福井県の核燃料税、総務相が同意 税収見込み192億円に

総務省は2026年10月30日、福井県から協議があった法定外普通税「核燃料税」の新設(更新)に、総務大臣が同日付で同意したと発表した[1]。課税期間は11月10日から2031年11月9日までの5年間。原子炉の出力や、原発に長く保管されている使用済燃料にかかる税率を引き上げる。平年度の税収見込みは約192億円となる。

福井県の核燃料税、新しい税率

核燃料税は、原発を設置する電力会社に県が課す税で、3つの部分からなる。総務省の資料と、2021年の前回更新時の資料をもとに比べると次のとおり[1][2]。

  • 価額割(原子炉に入れた核燃料の価額にかかる):8.5%→9.0%
  • 出力割(原子炉の熱出力にかかる):1千キロワットあたり1課税期間(3か月)5万1200円→6万5000円。廃止措置中の原子炉は半額
  • 搬出促進割(原発に5年を超えて保管する使用済燃料にかかる):1キロあたり1課税期間375円→500円
  • 平年度の税収見込み:約153億7000万円→約192億円

出力割は約27%、搬出促進割は約33%の引き上げになる。年あたりに直すと、搬出促進割は1キロ1500円から2000円に上がる計算だ。税収見込みは前回より約25%増える。

7月に県議会が可決、3か月で同意

福井県議会は2026年7月21日に条例案を可決し、県は同じ日に総務大臣に協議を申し出た[1]。条例は11月10日に施行される予定だ。法定外税は、地方自治体が地方税法に定めのない税を条例でつくるもので、新設や変更には総務大臣の同意が必要になる。

核燃料税は5年ごとに期限が来るため、そのたびに「新設(更新)」として協議と同意の手続きを踏む。今の課税期間は2021年11月10日から2026年11月9日までで、切れ目なく次の5年に移る[2]。

搬出促進割は「使用済燃料の県外搬出」を促す税

搬出促進割は、原発の敷地内にたまる使用済燃料の量に応じて課税し、電力会社に県外への搬出を促す仕組みだ。2021年の更新時、県は協議書で、電力会社自らが使用済燃料を県外に搬出する方針を示しているのに搬出が進んでいないとして、税率を年1500円に引き上げた[2]。

今回さらに税率を上げたことは、5年を経ても搬出が県の望む速さで進んでいないことを示している。保管が長引くほど電力会社の税負担は重くなるため、搬出先の確保を急がせる圧力になる。

税収は安全対策や立地地域の振興に

福井県は1976年11月に全国に先駆けて核燃料税をつくり、原発の立地に伴う安全対策や、住民の生活の安定、地域産業の振興などに使ってきた[2]。2021年の更新時には、人口減少のなかで立地地域が持続的に発展するための基盤整備も、出力割の引き上げの理由に挙げていた。

前回の資料によれば、主な納税者は関西電力と日本原子力発電で、県は電気料金に転嫁された場合の家庭の負担を試算していた[2]。今回の税率引き上げで電力会社の負担は増え、最終的には電気料金を通じて利用者にも及びうる。

原発の立地県と電力会社の負担の分け方

税収が約192億円に増えることは、県にとって安全対策や地域振興の財源が厚くなる一方、原発の運転費用を押し上げる。原子力発電の活用が進むほど、立地県の財政需要と電力会社の負担の兼ね合いは大きな論点になる。

使用済燃料の搬出が進めば、搬出促進割の税収は減っていく。税収の増加を目的とするのではなく、搬出を進めるための税として機能するかどうかは、今後5年間で使用済燃料の保管量がどう変わるかで判断されることになる。

脚注

  1. 総務省「福井県『核燃料税』の新設(更新)」(2026年10月30日) https://www.soumu.go.jp/main_content/001099133.pdf
  2. 総務省「福井県『核燃料税』の新設(更新)について」(2021年、福井県協議書抜粋を含む) https://www.soumu.go.jp/main_content/000776244.pdf
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