米FOMC、金利据え置き 3.75〜4% 2人が利上げ主張

米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)は2026年10月28日(日本時間29日未明)、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を3.75〜4%で据え置きとすると発表した[1]。9月の会合で0.25%の利上げを決めたのに続く連続利上げは見送ったが、決定は10対2の賛成多数で、反対した2人はいずれも追加の利上げを主張した。

FOMCの据え置き、10対2で決定

声明によると、反対票を投じたのはリサ・クック理事とクリーブランド連銀のベス・ハマック総裁で、2人とも今回の会合でFF金利の誘導目標を0.25%引き上げるべきだとした[1]。据え置きに反対する票が、利下げではなく利上げの側から出た形だ。

FOMCは前回の9月16日、誘導目標を0.25%引き上げて3.75〜4%とした。このときは12対0の全会一致だった[2]。銀行システムに十分な準備預金を保つ方針は、9月に続いて維持した。

声明の文言、9月から何が変わったか

今回の声明は、景気や雇用の判断の多くを9月から引き継いでいる。地政学的な動きなどで不確実性は高いままだが、国内支出は底堅く、生産性の伸びは強く、設備投資も旺盛だとした。雇用の増加は労働力の伸びと釣り合い、失業率はほとんど変わっていないとの判断も同じだ[1][2]。

変わったのは次の2か所だ。

  • 景気の拡大ペース:9月の「solid(堅調)」から、10月は「strong(力強い)」へ表現を強めた
  • 物価の説明:9月は利上げが「2%目標へのより早い回帰を支える」としていたが、10月は「より多くの情報を集めることで、適切な政策の構えを判断する」に置き換えた

物価が「依然として高い」との認識と、「物価の安定を実現する」との一文は、両方の声明に入っている。景気の評価を上げながら利上げを止めたことになり、9月の利上げの効果を見極める段階に入ったと読める。

据え置きで何が変わるか、市場と日本への影響

据え置きにより、米国の短期金利の水準は当面3.75〜4%にとどまる。一方で利上げを主張する委員が2人いたことは、物価が下がらなければ追加の引き締めがありうることを示している。ドル金利が高い状態が続けば、日米の金利差を通じて為替や日本の長期金利にも影響が及びやすい。

日本銀行も今週、金融政策決定会合を開いている。FOMCが様子見に回った直後の判断となり、米国の金利の行方をどう見るかも材料の一つになる。

12月会合までの物価指標が分かれ目

FOMCの年内最後の会合は12月8〜9日で、参加者の経済見通し(SEP)も公表される[3]。今回の声明は、次の一手を新しいデータに委ねる書き方になった。それまでに出る雇用と物価の統計が、9月の利上げ後も物価の高止まりを示すかどうかで、反対した2人の主張に同調する委員が増えるかが決まるだろう。

脚注

  1. Board of Governors of the Federal Reserve System "Federal Reserve issues FOMC statement"(2026年10月28日) https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20261028a.htm
  2. Board of Governors of the Federal Reserve System "Federal Reserve issues FOMC statement"(2026年9月16日) https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20260916a.htm
  3. Board of Governors of the Federal Reserve System "Meeting calendars and information" https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm
おすすめの記事