
清涼飲料大手の値上げが、2026年11月1日の出荷分から相次ぐ。サントリービバレッジ&フードは、国内で販売する一部商品の希望小売価格をペットボトルで5〜12%、缶で9〜19%引き上げる[1]。アサヒ飲料と伊藤園も同じ日から価格を改定する[2][3]。
各社とも、原材料や容器包装資材、エネルギー、物流などの費用上昇が続き、企業努力だけでは吸収しきれなくなったと説明している[1][2][3]。
11月1日からの飲料値上げ、各社の改定幅
- サントリービバレッジ&フード:11月1日出荷分から。ペットボトルは5〜12%、缶は9〜19%の引き上げ(6月18日発表)[1]
- アサヒ飲料:11月1日以降の出荷分から、「三ツ矢」「カルピス」「ワンダ」などを約4〜16%引き上げ。PETボトル、ボトル缶、缶コンク、紙パック、パウチが対象で、一部商品は除く(7月1日発表)[2]
- 伊藤園:11月1日から、麦茶飲料とコーヒー飲料のペットボトル製品・缶製品の計27品を3.7〜12.5%引き上げ(7月15日発表)[3]
いずれもメーカー希望小売価格の改定で、店頭での実際の価格は小売店ごとに決まる。
コカ・コーラは9月に先行、大手の改定が一巡
コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、ひと足早く9月1日出荷分から、ペットボトルや缶、パウチなどの希望小売価格を3.2〜18.7%引き上げた[4]。同社は理由として、原材料や資材、エネルギー価格の高騰に加え、為替の変動や国際情勢の影響でコスト上昇が長引いていることを挙げていた[4]。
9月から11月にかけて大手が相次いで価格を上げたことで、自動販売機やコンビニで日常的に買うペットボトル飲料の多くが、この秋に値上がりすることになる。
缶の改定幅が大きい理由
サントリーの改定幅を容器別に見ると、缶(9〜19%)の上限がペットボトル(5〜12%)より大きい[1]。アサヒ飲料も対象に缶コンクやボトル缶を含めている[2]。アルミ缶などの容器や、製造・輸送にかかるエネルギーの費用が重くのしかかっているとみられ、各社はいずれも「容器包装資材」や「エネルギー」をコスト増の要因に挙げている[2][4]。
家計の側では、11月は電気料金の算定に使う託送料金の見直しも重なる時期だ。気温が下がって冷たい飲み物の需要が落ち着く季節とはいえ、日常の小さな支出がまとめて上がる形になる。
年末商戦は「量」より「価格」の我慢比べに
値上げが一巡した後に焦点になるのは、販売数量への影響だ。飲料はプライベートブランドや大容量品への乗り換えが起きやすく、メーカーは値上げ後の数量の落ち込みを販促でどこまで抑えるかが課題になる。
各社がそろって値上げに踏み切ったことで、メーカー間で価格差が開く状況は避けられた。一方で、店頭価格を決める小売側が年末商戦で特売をどの程度打つかによって、消費者が実際に感じる値上げ幅は変わりうる。年明け以降の販売実績が、来年の価格戦略を占う材料になるだろう。
脚注
- サントリービバレッジ&フード「国内一部商品の価格改定について」(2026年6月18日) https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/2026/SBF1709.html
- アサヒ飲料「商品の価格改定に関するお知らせ」(2026年7月1日) https://www.asahiinryo.co.jp/company/newsrelease/2026/pick_0701.html
- 伊藤園「製品の価格改定に関するお知らせ」(2026年7月15日) https://www.itoen.co.jp/news/article/88852/
- コカ・コーラ ボトラーズジャパン「価格改定に関するお知らせ」(2026年5月25日) https://www.ccbji.co.jp/news/detail.php?id=1850

