
国土交通省、環境省、経済産業省は2026年10月20日、住宅の省エネ化を支援した国の補助事業「住宅省エネ2024キャンペーン」の事務局が運営するシステムが外部から不正に操作され、登録事業者の情報2万3918人分(1万6950事業者)が漏洩した恐れがあると発表した[1]。現時点で、補助事業を利用した消費者の個人情報の漏洩は確認されていない[1]。
住宅省エネ2024キャンペーンの漏洩、概要
- 何が起きたか:事務局を務める博報堂が運営するシステムで、外部からの不正な操作があった[1]
- 件数:2万3918人分(1万6950事業者)。速報値[1]
- 漏洩した恐れのある情報:法人代表者の氏名と肩書、個人事業主の氏名と住所、補助金担当者の氏名・部署・役職と業務用の住所・電話番号・メールアドレス[1]
- 原因と被害の詳細:博報堂が調査中で、現時点では分かっていない[1]
「住宅省エネ2026キャンペーン」など他の年度の同じ種類の事業では、登録事業者の情報の漏洩はないことを確かめたという[1]。
不審なメールに注意、事務局の連絡は1つのアドレスから
3省は、漏れた情報がなりすましやフィッシング詐欺、ウイルス付きメールの送信に悪用される恐れがあるとして、不審なメールは添付ファイルを開かず、URLもクリックせずに削除するよう呼びかけている[1]。
事務局は、漏洩の恐れがある登録事業者に、10月20日に「info@jutaku-shoene.jp」のアドレスから連絡のメールを送ったとしている[2]。これと違う差出人から事務局を名乗るメールが届いた場合は、まず疑ってかかる必要がある。
なぜ事業者の担当者情報が集まっていたのか
キャンペーンの中心だった子育てエコホーム支援事業では、補助金の対象は一般の消費者だが、消費者が自分で申請することはできない[3]。あらかじめ登録した住宅事業者が交付申請と受け取りを行い、消費者に還元する仕組みだった[3]。
事業者は申請の前に、会社としての「統括アカウント」を取って事業者登録をし、さらに実際に手続きをする担当者ごとの「担当者アカウント」を作る必要があった[3]。今回、代表者だけでなく担当者の氏名や部署、メールアドレスまで含まれているのは、この登録の仕組みによる。
2023〜24年度の4事業、終了後もシステムは稼働
住宅省エネ2024キャンペーンは、2023〜24年度に実施された4つの補助事業の総称だ[1]。
- 子育てエコホーム支援事業(国土交通省)
- 先進的窓リノベ2024事業(環境省)
- 給湯省エネ2024事業(経済産業省)
- 賃貸集合給湯省エネ2024事業(経済産業省)
このうち窓と給湯の3事業は2025年3月31日に終わった[2]。子育てエコホーム支援事業も交付申請の受け付けは2024年12月31日で締め切ったが、工事を終えたことを報告する「完了実績報告」の手続きが続いていた[3]。
システムは現在、全機能を止めている[1]。点検と再発防止策の後、完了実績報告の受け付けなど必要な機能に限って再開する予定だ[1]。国交省は博報堂に、原因と被害状況を急いで調べ、再発防止を徹底するよう指示した[1]。
相談窓口
- 住宅省エネ2024キャンペーン事務局:0570-062-065(IP電話からは050-3524-7232)、平日9時〜17時[1]
- 住まいるダイヤル(補助事業を利用した消費者向け):03-3556-5147、平日10時〜17時[1]
終わった事業の情報をいつまで持つか
申請の受け付けが終わってから2年近くたっても、システムには約1万7000の事業者の担当者情報が残っていた。完了報告などの手続きが残る以上、すぐに消せないのは確かだが、使い終えた事業の情報は、守る対象として後回しにされやすい。
国の補助事業は年度ごとに名前を変えて続き、事務局の運営は民間に委ねられることが多い。原因の調査結果が出た段階で、終了後の事業の情報をどう管理していたのかが、再発防止策の中身を見るうえでの手がかりになる。
脚注
- 環境省「『住宅省エネ2024キャンペーン』の事務局における登録事業者情報の漏洩の可能性について」(2026年10月20日、国土交通省・経済産業省と同時発表) https://www.env.go.jp/press/press_05754.html
- 住宅省エネ2024キャンペーン公式サイト「【重要なお知らせ】『住宅省エネ2024キャンペーン』の事務局における登録事業者情報の漏洩の可能性について」 https://jutaku-shoene2024.mlit.go.jp/
- 子育てエコホーム支援事業 公式サイト(国土交通省) https://kosodate-ecohome.mlit.go.jp/

