
横溝正史の代表作を新たに映画化した『八つ墓村』が9月18日に公開され、公開2週目の週末を迎える[1]。『呪怨』シリーズで知られる清水崇監督がメガホンを取り、歌舞伎俳優の尾上松也が名探偵・金田一耕助を演じる。18〜20日の週末映画動員ランキング(興行通信社調べ)では5位に入った[2]。
映画『八つ墓村』のあらすじとキャスト
母を亡くした大学生の井川辰弥は、自分のルーツが岡山県の山深い村「八つ墓村」にあると知る。名家・田治見家の跡継ぎとして村を訪れた辰弥の周りで、不可解な連続殺人事件が起き始める[1]。
辰弥を奥智哉、森美也子を堀田真由が演じる。高島礼子が田治見家の小竹・小梅の二役、滝藤賢一が久弥・要蔵の二役を務め、小籔千豊(磯川警部役)、渋川清彦、髙嶋政伸らも出演する[1][5]。脚本は尾ヶ井慎太郎と清水監督。配給は松竹とソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの共同だ[1]。
初週末は5位 混戦の秋興行
公開初週末のランキングは、1位『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』、2位『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』、3位『映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密』、4位『オデュッセイア』に続く5位だった[2][3]。同じ18日に公開された『踊る大捜査線』やプリキュアの新作と並び、上位に食い込んだ。
八つ墓村は4度目の映画化 過去の3作を振り返る
原作は横溝正史の長編推理小説で、角川文庫「金田一耕助ファイル」の1冊目にあたる[4]。戦国時代、三千両の黄金とともに逃げ延びた8人の落ち武者を村人が惨殺し、のちに村が「八つ墓村」と呼ばれるようになったという伝説を背景に、閉ざされた村の因習と連続殺人を描く[4]。
映画化は今回で4度目となる。1951年には松田定次監督・片岡千恵蔵主演で東映が[6]、1977年には野村芳太郎監督・渥美清主演で松竹が映画化した[7]。1996年には市川崑監督が豊川悦司を金田一役に迎えて撮っている[8]。映画としては30年ぶり、松竹にとっては49年ぶりの八つ墓村となる。
Jホラーの名手が描く「恐怖」と「謎解き」
清水監督は『呪怨』シリーズなどのホラー作品で知られ[5]、『犬鳴村』など村を舞台にした作品も手がけてきた。閉鎖的な村に潜む恐怖という点で、八つ墓村は監督の作風と重なる題材だ。
ただ、原作の本質は、怪奇的な雰囲気の奥で合理的な謎解きが進む本格ミステリーにある。恐怖の演出に寄りすぎれば、金田一の推理の妙が薄れかねない。歴代の金田一像と比べて尾上松也がどんな探偵像を見せるのか。そして、ホラーとミステリーの均衡をどこに置いたのか。二つの見どころが、往年のファンと新しい観客の評価を分けることになりそうだ。
脚注
- ソニー・ピクチャーズ「『八つ墓村』2026年9月18日(金)全国公開決定!監督は清水崇! 新・金田一耕助に尾上松也!」(2026年6月18日) https://www.sonypictures.jp/corp/press/2026-06-18
- 興行通信社 CINEMAランキング通信「『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が1位をキープ!新作は『踊る大捜査線 N.E.W. 〜』『映画名探偵プリキュア!〜』などがランクイン(2026年9月18日-9月20日)」 https://www.kogyotsushin.com/archives/topics/t8/202609/24150728.php
- シネマトゥデイ「『映画ちいかわ』首位キープで165億円突破!『踊る大捜査線』新作は2位スタート:映画週末興行成績」(2026年9月) https://www.cinematoday.jp/news/N0157042
- ソニーの電子書籍ストア Reader Store「金田一耕助ファイル1 八つ墓村(横溝正史)角川文庫」 https://ebookstore.sony.jp/title/00174168/
- シネマトゥデイ「八つ墓村 (2026):キャスト・あらすじ・作品情報」 https://www.cinematoday.jp/movie/T0031901
- allcinema「映画 八ツ墓村 (1951)」 https://www.allcinema.net/cinema/88068
- allcinema「映画 八つ墓村 (1977)」 https://www.allcinema.net/cinema/87875
- allcinema「映画 八つ墓村 (1996)」 https://www.allcinema.net/cinema/87645

