11月の野菜価格、大根・キャベツ・白菜が平年超え

農林水産省は2026年10月30日、東京都中央卸売市場に出荷される主な野菜の11月の生育状況と価格の見通しを公表した[1]。だいこん、はくさい、キャベツ、ブロッコリーの11月の価格は平年を上回って推移する見込みで、9月の長雨や台風の影響が関東の産地に残っている。一方、たまねぎとさといもは平年を下回るとした。

11月の野菜価格の見通し、品目別の一覧

農水省が主産地や卸売会社から聞き取った、11月の価格見通し(平年=過去5か年平均との比較)は次のとおり[1]。平年比がおおむね90〜110%であれば「平年並み」としている。

  • 平年を上回る:だいこん、はくさい、キャベツ、ブロッコリー
  • 前半は平年並み、後半は平年を上回る:にんじん
  • 前半は平年並み、後半はやや上回る:ねぎ
  • 前半は上回り、後半はやや上回る:レタス
  • 前半はやや上回り、後半は平年並み:きゅうり、ピーマン
  • 平年並み:ほうれんそう、なす、トマト、ばれいしょ
  • 平年を下回る:さといも、たまねぎ

15品目のうち、11月の全期間か一部で平年より高くなる見込みの品目は9つにのぼる。

関東の産地で長雨と台風の影響

価格が上がる品目に共通するのは、11月に出荷の中心が関東の産地へ移ることだ。だいこんは北海道・青森産から千葉・神奈川産に切り替わるが、9月の長雨や台風で種をまけなかった畑があり、生育の遅れや生理障害も出ている[1]。

はくさいは長野産から茨城産へ、キャベツは群馬産から千葉・茨城・愛知産へと産地が移る。いずれも9月の長雨や日照不足で、植え付けや生育が遅れた[1]。キャベツは玉が小さい傾向もみられる。にんじんは千葉産が8月の豪雨や9月の台風でまき直しを迫られ、生育の遅れや太りの鈍さが出ている。

レタスは茨城産が中心になる。9月の長雨と日照不足で玉が小さいが、10月はおおむね好天だったため、11月中旬ごろからは長雨の後に植えたものが出てくる[1]。月の後半に向けて値上がりの幅は小さくなる見込みだ。

たまねぎ・さといもは出荷が多く、平年を下回る

一方、北海道産が9割を占めるたまねぎは、生育がおおむね順調で大玉の傾向がある。出荷は平年を上回り、価格は平年を下回る見込みだ[1]。埼玉・愛媛産が中心のさといもも、出荷がやや多く、価格は平年を下回る。

高知産が中心のなす、北海道産のばれいしょ、群馬・茨城産のほうれんそうは、生育が順調で平年並みの見通しだ。

小売の物価にも野菜高が表れる

野菜の値上がりは、すでに小売の物価に出ている。総務省が同じ10月30日に公表した東京都区部の10月の消費者物価指数(中旬速報)で、生鮮野菜は前年同月比10.5%上昇し、レタスは118.3%上昇と前年の2倍を超えた[2]。生鮮食品全体でも8.6%上がった。

今回の見通しは卸売価格についてのもので、平年との比較である点には注意が要る。前年同月と比べる物価統計とは基準が違う。それでも、11月にだいこんやはくさい、キャベツといった鍋物に欠かせない野菜が平年より高くなれば、家計が値上がりを感じる場面は増えるだろう。

鍋野菜は割高、たまねぎ・さといもは割安

11月は、だいこん・はくさい・キャベツが割高になる一方、たまねぎやさといもは割安になる見通しで、品目によって値動きの向きがはっきり分かれる。農水省も今回の資料で、たまねぎやさといもを使ったレシピを紹介している[1]。

関東の産地では、長雨の後に植えた野菜が11月中旬以降に出始める。10月の好天で生育が持ち直せば、月の後半から価格が落ち着く品目も出てくる。12月の見通しが出るまで、天候が出荷にどう響くかが値動きを左右する。

脚注

  1. 農林水産省「野菜の生育状況及び価格見通し(令和8年11月)について」(2026年10月30日) https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/engei/261030.html
  2. 総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)10月分(中旬速報値)」(2026年10月30日) https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
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