新卒の3年以内離職率、大卒31.2% 2年連続低下

厚生労働省は2026年10月23日、2023年3月に学校を卒業して就職した人の離職状況を公表した[1]。就職後3年以内の離職率は、新卒の大学卒業者(大卒)が31.2%で前年より2.6ポイント低下し、高校卒業者(高卒)も36.9%と1.0ポイント下がった[1]。一方で、事業所の規模や業種による差は依然として大きい[1]。

新卒の3年以内離職率、学歴別の結果

学歴別の3年以内離職率は次のとおり(カッコ内は前年との差)[1]。

  • 中学卒:54.5%(0.4ポイント上昇)
  • 高校卒:36.9%(1.0ポイント低下)
  • 短大等卒:43.1%(1.4ポイント低下)
  • 大学卒:31.2%(2.6ポイント低下)

大卒は2021年3月卒の34.9%、2022年3月卒の33.8%から2年続けて下がった[2]。高卒も2022年3月卒の37.9%から下がっている[2]。上がったのは中学卒だけだった[1]。

数値は、事業所がハローワークに出した雇用保険の加入届をもとに、新卒と推定される就職者を数え、2026年3月末までに最初の就職先を離れた人の割合を出したものだ[3]。転職でも退職でも、離職の理由やその後の状態は問わず「離職」として数えている[3]。

事業所の規模で離職率に2倍以上の差

事業所の規模別に見ると、小さい事業所ほど離職率が高い傾向ははっきりしている[1]。

事業所規模 高校卒 大学卒
5人未満 61.3% 58.2%
5〜29人 53.3% 50.6%
30〜99人 45.5% 39.7%
100〜499人 36.4% 31.7%
500〜999人 29.4% 29.0%
1000人以上 24.4% 24.2%

大卒では、5人未満の事業所の58.2%に対し、1000人以上は24.2%と2倍以上の開きがある[1]。前年と比べると、大卒は5人未満を除くすべての規模で下がったが、5人未満だけは0.7ポイント上がった[1]。

宿泊・飲食サービスでは大卒の約半数が離職

業種別(「その他」を除く)では、離職率の高い上位に同じ顔ぶれが並ぶ[1]。大卒では宿泊業・飲食サービス業が49.9%で最も高く、生活関連サービス業・娯楽業が49.8%、教育・学習支援業が42.3%、医療・福祉が39.1%、小売業が38.1%と続く[1]。

高卒では宿泊業・飲食サービス業が61.6%、生活関連サービス業・娯楽業が61.1%で、ともに6割を超えた[1]。ただ、大卒の宿泊・飲食は前年より5.5ポイント、生活関連・娯楽は4.9ポイント下がっており、離職率の高い業種でも改善が目立つ[1]。

厚労省は、新卒応援ハローワークなどで職場への定着支援や、離職した人への就職支援を続けるとしている[1]。

全体の改善と「3年で半数」の職場

今回の対象は、2023年春に就職した世代だ。大卒の離職率は2年連続で下がり、前年比の下げ幅も2.6ポイントと大きい。学歴を問わず中学卒以外は低下しており、全体としては早期離職が落ち着く方向にある。

ただ、平均値の改善の陰で、小規模の事業所やサービス業では、なお2人に1人前後が3年以内に辞めている。小規模の事業所で働く大卒の離職率が前年より上がった点も見逃せない。若手の定着を職場ごとの努力に任せるだけでなく、研修や相談の仕組みを地域や業界でどう共有できるかが、数字の差を縮めるうえで問われそうだ。

脚注

  1. 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)を公表します」(2026年10月23日) https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00011.html
  2. 厚生労働省「新規学卒者就職率と就職後3年以内離職率」(別紙4、2026年10月23日) https://www.mhlw.go.jp/content/001757259.pdf
  3. 厚生労働省「資料出所及び離職率の集計の考え方」(2026年10月23日) https://www.mhlw.go.jp/content/001757258.pdf
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