AI・デジタル改革推進会議を新設 有識者ら10人

政府は2026年10月20日の閣議で、「AI・デジタル改革推進会議」の開催を決めた[2][3]。経済社会の規制・制度の見直しや、AIの社会実装を政府横断で進めるための会議で、2023年に設けた「デジタル行財政改革会議」は廃止し、その検討事項を引き継ぐ[2]。

AI・デジタル改革推進会議の目的

閣議決定によると、会議は急激な人口減少に対応し、経済成長の実現と公共サービスの維持・強化を図ることを目的とする[2]。AIによるリスクを最小にすることを前提に、AIとデジタルを徹底して使った社会の変革(AX/DX)を進める[2]。

主に扱うのは次の3つだ[2]。

  • 経済社会の規制・制度や運用ルールの見直し
  • AI・デジタル基盤のあり方の検討
  • AX/DXの社会実装

議長は官房長官、閣僚と有識者10人で構成

  • 議長:内閣官房長官、AI・デジタル改革推進担当大臣[2]
  • 副議長:AX社会実装担当大臣、規制改革担当相、人工知能戦略担当相、デジタル相[2]
  • 構成員(閣僚):地域未来戦略担当相、法制度検証・改革担当相、行政改革担当相、経済財政政策担当相、総務相、財務相、経済産業相[2]
  • 事務:デジタル庁が、内閣官房や内閣府などの協力を得て担う[2]

有識者などの構成員として、議長は同じ日に次の10人を指名した[2]。

  • 北野宏明(ソニーコンピュータサイエンス研究所社長)
  • 久保田由美恵(安川電機取締役執行役員)
  • 佐藤孝弘(山形市長)
  • 宍戸常寿(東京大学大学院教授)
  • 中室牧子(慶應義塾大学教授)
  • 松尾豊(東京大学大学院教授)
  • 丸山絵美子(慶應義塾大学大学院教授)
  • 村岡嗣政(山口県知事)
  • 山口明夫(日本IBM会長、経済同友会代表幹事)
  • 吉永京子(慶應義塾大学大学院特任准教授)

会議で配った資料は原則として公表し、議事録も公表する[2]。ただし議長が特に必要と認めたときは、議事録の一部を公表しないことができる[2]。

デジタル行財政改革会議からの切り替え

廃止されたデジタル行財政改革会議は、2023年10月6日の閣議決定で設けられた[2]。新しい会議は、名称に「AI」を掲げ、副議長に人工知能戦略やAXの社会実装を担う閣僚を置いた[2]。デジタル化による行政の効率化から、AIを使った社会全体の変革へと、看板の重心を移した形だ。

構成員には、AIの研究者や企業の技術責任者に加え、法学者、県知事と市長が入った[2]。AIの技術面だけでなく、法制度や自治体の現場での運用までを議論の対象にする顔ぶれといえる。

規制の見直しで成果を示せるか

閣議決定は、会議の役割の最初に「規制・制度及び運用ルールの見直し」を挙げている[2]。AIを行政や産業で使おうとすると、人の手作業を前提にした従来のルールが妨げになる場面もある。どのルールを、いつまでに、どう変えるかを具体的に示せるかどうかが、会議の実効性を測る物差しになる。

この日、デジタル庁はガバメントAI「源内」でAIエージェントを使える環境の提供を始めたとも発表した[1]。行政の内側でのAI活用と、社会全体の規制見直しを同じ会議の下でどう結びつけるか。初会合で示される論点と工程表が、最初の手がかりになる。

脚注

  1. デジタル庁「ニュース」(2026年10月20日掲載分) https://www.digital.go.jp/news
  2. デジタル庁「AI・デジタル改革推進会議」(開催について〔2026年10月20日閣議決定〕、構成員の指名について、運営要領) https://www.digital.go.jp/councils/ai_digital
  3. 首相官邸「令和8年10月20日(火)定例閣議案件」 https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2026/kakugi-2026102001.html
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