
JR東日本は2026年10月20日、モバイルSuicaのアプリ内で使えるコード決済サービス「teppay(テッペイ)」の提供を始めた[1]。teppayを使うと、Suicaの上限額である2万円を超える買い物ができるほか、残高を家族や友人と受け渡しできる[1]。
JR東日本のteppayでできること
- 使い方:モバイルSuicaのアプリにログインし、teppayに切り替えて使う。店頭ではバーコードを見せるか、店のコードを読み取って支払う[2]
- 決済の種類:コード決済と、オンラインで使える「teppay JCBプリカ」[1]
- 残高の使い道:買い物のほか、モバイルSuicaへのチャージ、定期券・グリーン券・おトクなきっぷの購入[1]
- チャージ方法:ビューカード、金融機関、セブン銀行・ローソン銀行のATMでの現金など[1]
- ポイント:teppay残高での支払いは0.5%分のteppayポイント、ビューカードを連携した支払いは1%分のJRE POINT。ポイントが付かない利用先もある[1]
モバイルPASMOのアプリでも2027年春にteppayを始める予定だ[1]。
Suicaの「2万円の壁」を越える意味
交通系ICのSuicaは、チャージできる残高の上限が2万円に決まっている[1]。電車やコンビニでの少額の支払いには十分でも、家電や旅行の代金のような大きな買い物には使いにくかった。teppayは同じアプリの中に別の残高を持たせることで、この上限の外で支払えるようにした。
残高を送り合える機能も、Suicaにはなかったものだ。JR東日本は、子どもに送った残高をモバイルSuicaにチャージすれば交通費として使える、という使い方を例に挙げている[1]。乗車券としてのSuicaと、支払い手段としての残高を行き来できる点が、他のスマホ決済にはない特徴になる。
2025年の予告から約1年で開始
JR東日本は2025年11月25日、Suica・PASMOのコード決済サービスを2026年秋から提供すると発表していた[3]。2026年7月には、加盟店のWeb申し込みの受け付けを始めている[1]。
開始に合わせ、グループ各社でキャンペーンを順次始める[1]。
- NewDays:10月20日から11月30日までに店舗のteppay払いが合計5000円以上になった人に、2027年1〜3月に何度でも使える5%割引クーポンを渡す[1]
- ビックカメラ:11月4日から12月25日まで、「ビックカメラSuicaカード」を連携して1回2万円以上買うと、ビックポイントを最大4%付ける。同じ時期の別の還元策と合わせ、最大35%分とうたう[1]
- テレビCM:11月2日から全国の一部地域を除いて放映する[1]
乗車データを持つ鉄道会社の強み
コード決済の市場には、すでに通信会社やネット企業の大手サービスが並び、利用者は複数のアプリを使い分けている。後から加わるteppayが選ばれるには、ポイント還元だけでなく、電車に乗るために毎日開くアプリの中にあるという利点をどこまで生かせるかが分かれ目になる。
還元策の多くはNewDaysやビックカメラなど、駅やグループの店舗に向けたものだ。まずは駅の生活圏で使う人を増やし、そこから街の加盟店に広げられるか。2027年春にモバイルPASMOが加わって首都圏の交通系ICの利用者をまとめて取り込めれば、加盟店を増やす交渉材料にもなるだろう。
脚注
- JR東日本「『teppay』のテレビCMとキャンペーンが始まります!~モバイルSuicaの新コード決済サービス『teppay』が本日スタート~」(2026年10月20日、PR TIMES) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001553.000017557.html
- teppay公式サイト(JR東日本) https://www.teppay.jp/
- JR東日本「Suica・PASMOのコード決済サービス『teppay』を2026年秋より提供開始」(2025年11月25日) https://www.jreast.co.jp/press/2025/20251125_ho01.pdf

