福島・川俣町の除染重点地域を解除 残りは58市町村

環境省は2026年10月30日、放射性物質汚染対処特別措置法にもとづき、福島県川俣町の「汚染状況重点調査地域」の指定を同日付で解除したと発表した[1]。除染の重点地域の解除は、町の平均的な空間線量率が、指定の要件の目安となる毎時0.23マイクロシーベルトを下回ったことによる。指定の解除は46例目で、指定が残る市町村は福島県外も含めて58市町村になった。

除染の重点地域の解除、今回の内容

汚染状況重点調査地域は、2011年の東京電力福島第一原発の事故で放出された放射性物質による汚染について、重点的に調べる必要があるとして、環境大臣が2011年12月と2012年2月に指定した[1]。毎時0.23マイクロシーベルト以上か、そのおそれが大きい区域を含む市町村が対象で、指定を受けた市町村は除染の計画をつくって除染を進めてきた。

  • 解除した区域:福島県川俣町の区域(除染特別地域の区域を除く)
  • 指定されていた日:2011年12月28日
  • 解除の理由:平均的な空間線量率が毎時0.23マイクロシーベルト未満になった
  • 手続き:福島県知事と川俣町長に意見を聞き、ともに異議がないと回答

国が直接除染を担う「除染特別地域」に当たる区域は、今回の解除の対象から除かれている[1]。町が除染を担ってきた区域が対象になる。

104市町村から58市町村へ

指定を受けた市町村は、福島県の内外で104あった[1]。市町村などによる面的な除染は2018年3月までに終わっている。その後、線量が下がった市町村から順に指定が外れてきた。

環境省の一覧をみると、解除は2012年12月の福島県昭和村、群馬県片品村、みなかみ町が最初だった[1]。2022年から2023年にかけては、福島市や郡山市、白河市など福島県内の市町村の解除が相次いだ。2026年に入ってからは、6月に石川町など5町村、今回の川俣町と続いている。

残る58市町村、半分以上は福島県外

10月30日時点で指定が残る58市町村を県別にみると、次のとおり[1]。

  • 茨城県:19(日立市、つくば市、取手市など)
  • 千葉県:9(松戸市、柏市、流山市など)
  • 群馬県:8(桐生市、沼田市、渋川市など)
  • 宮城県:7(白石市、角田市、丸森町など)
  • 栃木県:7(日光市、那須塩原市、那須町など)
  • 岩手県:3(一関市、奥州市、平泉町)
  • 福島県:3(南相馬市、広野町、川内村)
  • 埼玉県:2(三郷市、吉川市)

福島県内で残るのは3市町村だけになった。一方、茨城県や千葉県など首都圏に近い市町村が多く残っている。指定の解除には、空間線量の低下に加えて、自治体の意見も踏まえる手続きがある。

「指定の解除」と「安心」のあいだ

指定の解除は、平均的な線量が基準を下回ったという事実を行政の手続きとして確認するものだ。川俣町にとっては、原発事故から15年を経て、町が担ってきた除染の対象区域で線量が下がったことを示す区切りになる。

ただ、平均値が下がっても、山林など除染されていない場所や、局所的に線量が高い地点が残ることはありうる。指定が外れた後も、住民が求めれば線量の測定や情報の提供を続けられるかどうかが、暮らしの安心を支える。残る58市町村についても、解除の判断材料となる測定結果を分かりやすく示していくことが求められる。

脚注

  1. 環境省「放射性物質汚染対処特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域の指定の解除について」(2026年10月30日) https://www.env.go.jp/press/press_05770.html
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