
皇居東御苑にある皇居三の丸尚蔵館が、2026年11月3日に全面開館する[1]。皇室に受け継がれてきた美術品などを収める施設で、新しい建物の工事のため2025年5月から休館していた。全面開館を記念し、半年にわたって3つの特別展を開く。第1弾の「皇室の至宝—美いづるところ」は、2027年1月24日まで開かれる[2]。
三の丸尚蔵館の全面開館、記念展の概要
第1弾の特別展の概要は次のとおり[2]。
- 会期:2026年11月3日(火・祝)〜2027年1月24日(日)。前期(11月23日まで)、中期(11月26日〜12月20日)、後期(12月23日から)で全作品を入れ替える
- 開館時間:9時30分〜17時。金曜と土曜は20時まで
- 休館日:原則月曜日。年末年始などにも休館日がある
- 料金:一般2500円。日時指定制で、会場での当日券販売はない
- 無料:小中高大生と23歳未満、障害者手帳を持つ人と介護者1人(事前予約が必要)
展示の中心は、館の国宝や重要文化財に加え、正倉院宝物や、聖徳太子ゆかりの法隆寺献納宝物だ[2]。会場には近代の美術品も並ぶ。明治から昭和にかけて皇室に納められた作品で、2026年が昭和の始まりから100年の年にあたるのにちなんだ。
前期に正倉院の琵琶、若冲の鳳凰図
主な出品作品として、館は次のものを挙げている[2]。
- 螺鈿紫檀琵琶(正倉院宝物、8世紀):前期に展示
- 平螺鈿背八角鏡(正倉院宝物、8世紀):前期
- 伊藤若冲「旭日鳳凰図」(1755年):前期
- 狩野探幽「源氏物語図屏風」右隻(1642年):前期
- 重要文化財「菊蒔絵螺鈿書棚」(1903年):前期
- 国宝「伎楽面 治道」(飛鳥時代、東京国立博物館蔵):中期
第2弾は2027年2月4日から3月14日まで、伊藤若冲の「動植綵絵」を取り上げる特別展「国宝 動植綵絵 いろどりの世界」、第3弾は3月25日から5月16日までの特別展「日本の書の美1300年」を予定している[3]。11月14日には正倉院宝物をテーマにした記念講演会も開く。
寄贈から37年、移管を経て新施設に
館の説明によると、三の丸尚蔵館は1989年に上皇さまと香淳皇后が、皇室に代々受け継がれた絵画や書、工芸品などを国に寄贈したことをきっかけに、1993年11月に宮内庁の施設として開館した[4]。その後、旧秩父宮家や旧高松宮家、三笠宮家などからの寄贈で収蔵品が増えた。
2019年からは収蔵庫と展示室を広げるため新施設の建設が進み、2023年に管理・運営が宮内庁から独立行政法人国立文化財機構に移った[4]。同年11月に現在の名称で一部を開館したが、工事を続けるため2025年5月から再び休館していた。
皇室の美術を見せる常設の拠点に
これまでの三の丸尚蔵館は展示室が小さく、所蔵品の多くを公開する機会が限られていた。国立文化財機構への移管と新施設の完成で、ほかの国立博物館と同じように、大規模な特別展を定期的に開ける体制が整う。正倉院宝物は、奈良国立博物館で毎年秋に開かれる正倉院展が主な公開の場で、東京で前期の3週間だけとはいえ螺鈿紫檀琵琶を見られる機会は多くない。
日時指定制で当日券がないため、前期の人気作品の回はすぐに埋まる可能性がある。展示を総入れ替えする3期構成は、繰り返し訪れる人を増やす狙いもうかがえる。夜間開館を含めた来館者の動きが、皇居東御苑の新たなにぎわいにつながるかが注目される。
脚注
- 皇居三の丸尚蔵館「令和8年(2026)11月3日(火・祝)皇居三の丸尚蔵館が全面開館します!」(2026年9月4日) https://shozokan.nich.go.jp/news/260904
- 皇居三の丸尚蔵館「特別展『皇室の至宝—美いづるところ』」 https://shozokan.nich.go.jp/exhibitions/grand-opening-1
- 皇居三の丸尚蔵館「展覧会」 https://shozokan.nich.go.jp/exhibitions
- 皇居三の丸尚蔵館「概要」 https://shozokan.nich.go.jp/about

