
総務省は2026年10月23日、9月の全国消費者物価指数(2025年=100)を公表した[1]。生鮮食品を除く総合指数は102.3で、前年同月比2.1%上昇した[1]。8月の1.7%から伸びが拡大し、2%台に戻るのは2025年12月(2.4%)以来、9カ月ぶりとなる[1]。
9月の消費者物価指数、主な指標
主な指標は次のとおり(カッコ内は8月)[1][2]。
| 指標 | 指数 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 総合 | 102.2 | 2.1%(1.9%) |
| 生鮮食品を除く総合 | 102.3 | 2.1%(1.7%) |
| 生鮮食品及びエネルギーを除く総合 | 102.8 | 2.4%(1.9%) |
季節調整をした前月比でも、生鮮食品を除く総合は0.5%上昇した[1]。生鮮食品とエネルギーを除く総合も前月比0.5%上がり、物価の基調を映すとされる指標でも上昇が強まった形だ[1]。
政策が0.82ポイント押し下げ、エネルギーは小幅下落
エネルギーは前年同月比0.6%下落と、8月の0.7%下落から下げ幅が縮んだ[2]。内訳は電気代が2.4%下落、ガソリンが2.6%下落、都市ガス代は0.2%上昇、灯油は15.3%上昇だった[1]。
総務省の試算では、ガソリン税の暫定税率廃止などの政策効果が、総合の前年同月比を0.82ポイント押し下げている[2]。内訳はガソリンが0.48ポイント、電気代が0.24ポイントなどだ[2]。政策による押し下げを差し引いて見れば、物価の上昇圧力は表面の数字より強いことになる。
コメと高校授業料は下落
コシヒカリを除くうるち米は21.1%下落し、総合を0.15ポイント押し下げた[1]。私立高校の授業料は73.2%下がり、同じく0.15ポイントの押し下げ要因になっている[1]。
食料と水道料、宿泊料が押し上げ
押し上げたのは食料とサービスだ。生鮮食品を除く食料は2.9%上昇し、8月の2.7%から伸びが拡大した[2]。品目では緑茶が33.8%、からあげが9.6%、輸入牛肉が13.1%、すし(外食)が15.5%上がった[1]。生鮮魚介も13.9%上昇し、さんまは27.8%高い[1]。
サービスでは、8月に前年比マイナスだった水道料が4.9%、宿泊料が4.6%の上昇に転じた[1]。この2品目だけで総合の上昇幅を0.14ポイント広げている[1]。日用品ではトイレットペーパーが17.8%、携帯電話機が10.9%上がった[1]。
日銀会合を前に「2%台」に戻った意味
生鮮食品を除く総合は、1月から8月まで8カ月続けて2%を下回っていた[1]。8月分の公表時には1.7%への鈍化が話題になったが、1カ月で流れが変わった。9月の2.1%は、コメの値下がりと政策によるエネルギーの押し下げがありながら、食料品やサービスの値上がりで2%台に戻った数字だ。生鮮食品とエネルギーを除く総合が2.4%まで高まったことも、値上がりの広がりを示している。
日銀は9月に政策金利を1.25%程度に引き上げた。次の金融政策決定会合は10月29〜30日に開かれる[3]。水道料や宿泊料といったサービス価格の上昇が一時的なものか、10月以降も続くかが、追加の利上げを判断する材料の一つになりそうだ。
脚注
- 総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)9月分」(2026年10月23日) https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
- 総務省統計局「(参考資料)調査結果の最近の動向等」(2026年10月23日) https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/doukou.pdf
- 日本銀行「金融政策決定会合の運営」(会合日程) https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/index.htm

