
川崎汽船は2026年10月23日、2027年3月期の連結純利益予想を従来の1350億円から1900億円へ上方修正したと発表した[1]。主力のドライバルク事業で市況の堅調が続くうえ、持分法適用会社OCEAN NETWORK EXPRESS(ONE)が運営するコンテナ船事業で、貨物需要と市況が8月時点の想定を上回った[1]。
上期(2026年4〜9月)の予想も引き上げた[1]。上期の決算は11月4日に発表する予定だ[2]。
川崎汽船の上方修正、通期と上期の予想
通期(2026年4月〜2027年3月)の予想は次のとおり[1]。
| 項目 | 前回予想(8月4日) | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆700億円 | 1兆1700億円 | 1兆184億円 |
| 営業利益 | 850億円 | 910億円 | 842億円 |
| 経常利益 | 1350億円 | 1900億円 | 1091億円 |
| 純利益 | 1350億円 | 1900億円 | 1330億円 |
1株あたり純利益の予想は220円79銭から316円46銭になった[1]。上期については、純利益予想を860億円から1245億円へ、経常利益予想を800億円から1180億円へ引き上げた[1]。前年同期の純利益686億円と比べると約1.8倍にあたる[1]。
営業利益は小幅、経常利益で大幅上振れ
修正の中身をみると、営業利益の上方修正は60億円(7.1%)にとどまる一方、経常利益と純利益はそれぞれ550億円(40.7%)上積みされた[1]。会社の説明では、売上高と営業利益の修正はドライバルク事業の市況、経常利益と純利益の修正はONEのコンテナ船事業によるものだ[1]。
ONEは持分法適用会社のため、その利益は営業利益には入らず、経常利益の段階で取り込まれる。今回の予想で経常利益が営業利益を約1000億円上回るのは、コンテナ船事業の稼ぎが川崎汽船の最終利益を大きく左右していることを示している。
前期比で売上高15%増、経常利益74%増
今回の通期予想を前期の実績と比べると、売上高は14.9%増、営業利益は8.1%増、経常利益は74.2%増、純利益は42.9%増となる[1]。8月時点の予想では、純利益は前期とほぼ同じ水準を見込んでいたが、今回の修正で増益の見通しに変わった[1]。
上期の予想ベースでは、通期の経常利益1900億円のうち1180億円を上期で稼ぐ計算になる[1]。下期の経常利益は720億円と上期の6割程度にとどまる見込みで、会社は下期の市況をなお慎重にみていることがうかがえる。
11月4日の決算で下期の見方が焦点に
海運の利益は市況に大きく左右される。今回の修正は、ドライバルクとコンテナ船の両方で市況が想定を上回った結果だが、下期を上期より低く見積もっている点からも、会社が市況の先行きを楽観していないことが読み取れる。
川崎汽船は9月に自己株式の消却を発表し、10月2日に完了している[3]。利益の上振れ分を追加の株主還元に回すかどうかは、11月4日の上期決算発表で示される下期の見通しと合わせて、投資家の判断材料になりそうだ[2]。
脚注
- 川崎汽船「2027年3月期 業績予想の修正に関するお知らせ」(2026年10月23日) https://www.kline.co.jp/ja/news/ir/auto_20261022554611/pdfFile.pdf
- 川崎汽船「IRカレンダー」 https://www.kline.co.jp/ja/ir/calendar.html
- 川崎汽船「自己株式の消却完了に関するお知らせ」(2026年10月2日) https://www.kline.co.jp/ja/news/ir/auto_20261001544562/pdfFile.pdf

