
旧優生保護法のもとで不妊手術などを強いられた人たちへの補償金などの支給認定が、2026年9月末までに累計2061件となった[1]。こども家庭庁が10月23日、請求と認定の状況を更新した[1][2]。請求は累計2847件に上る一方、9月の請求は42件と、制度開始直後の1割ほどに減っている[2]。
旧優生保護法の補償金、請求と認定の累計
補償金などの支給は、2024年10月に成立した補償金等支給法に基づき、2025年1月17日に請求の受け付けが始まった[3]。同法は前文で、国会と政府が責任を認め、謝罪すると明記している[3]。
2025年1月から2026年9月末までの累計は次のとおり[1][2]。
| 区分 | 請求 | 認定 |
|---|---|---|
| 補償金(手術を受けた本人) | 1164 | 933 |
| 補償金(特定配偶者) | 320 | 255 |
| 補償金(本人の遺族) | 528 | 395 |
| 補償金(特定配偶者の遺族) | 239 | 185 |
| 優生手術等一時金 | 372 | 186 |
| 人工妊娠中絶一時金 | 224 | 107 |
| 合計 | 2847 | 2061 |
このほか、2019年施行の旧法(一時金支給法)に基づく一時金の認定が1198件ある[2]。相談件数は累計8820件だった[1]。
本人への補償金の認定933件を性別で見ると、女性が694件と7割余りを占める[2]。年齢は70歳代が417人で最も多く、80歳代が249人、90歳代も86人いる[2]。
月ごとの請求は開始直後の1割ほどに
月別の請求件数を見ると、受け付けが始まった2025年2月の491件、3月の407件をピークに減り続けている[1]。2026年に入ってからは月30〜90件台で推移し、9月は42件だった[1]。9月の支給認定は33件だった[2]。
請求の多い地域は宮城県(278件)、北海道(185件)、大阪府(119件)などで、こども家庭庁に直接出された請求も390件ある[1]。相談件数では大分県(822件)、宮城県(656件)、熊本県(588件)が多い[1]。
22日の審査部会、49件中23件を認定
審査が必要な請求は、こども家庭庁の審査会で認定するかどうかを判断する[2]。10月22日に開かれた第20回の審査部会では49件を審査し、23件を認定、18件を否認、8件を保留とした[4]。補償金を認定した本人8人の年齢は70歳代が4人で最も多かった[4]。
累計の認定2061件のうち、審査会の審査を経ずに認定したものは1358件、審査結果に基づいて認定したものは703件だった[2]。都道府県には、請求の手続きを弁護士が無料で手伝う窓口もある[5]。
相談8820件と請求2847件の差
相談件数と請求件数には3倍ほどの開きがある。相談がそのまま請求の対象になるとは限らないが、手術から長い時間がたち、記録や記憶が残っていない人も多い。認定された本人の多くが70歳代以上であることを踏まえると、請求の手続きを後押しする時間は限られている。
月ごとの請求が減ったいま、制度を知らないまま、あるいは声を上げられないままの人にどう届けるかが残る課題になる。弁護士による無料のサポートや、診断書がなくても請求できる場合があるといった仕組みを、本人や家族に伝えていく取り組みが欠かせない。
脚注
- こども家庭庁「旧優生保護法補償金等支給法に基づく補償金等の請求・相談件数の状況について」(令和8年9月末現在、2026年10月23日更新) https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/8c416afe-520a-4a3d-967e-ee6d3ff13c58/650e302e/20261020_kyuyusei-hoshokin_189.txt
- こども家庭庁「旧優生保護法補償金等支給法に基づく補償金等の支給認定の状況について」(令和8年9月末現在) https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/8c416afe-520a-4a3d-967e-ee6d3ff13c58/07cef532/20261020_kyuyusei-hoshokin_186.txt
- こども家庭庁「旧優生保護法補償金等に係る特設ホームページ」 https://www.cfa.go.jp/kyuyusei-hoshokin
- こども家庭庁「第20回補償金・優生手術等一時金認定審査部会の審査結果について」(2026年10月23日) https://www.cfa.go.jp/press/e7dfb273-df70-4294-ae60-d4cb7acbe922
- こども家庭庁「補償金等の請求について」 https://www.cfa.go.jp/kyuyusei-hoshokin/apply

