電気代、11月から託送料金で上昇 東北は月485円

送配電網の利用料である「託送料金」の見直しが、2026年11月1日から電気代に反映される。北陸電力を除く大手電力9社の料金が上がり、平均的な家庭のモデルで月500円前後の負担増になる[1][2][3]。東北電力は月485円、四国電力は478円、沖縄電力は590円の増加を見込む[1][2][3]。

託送料金は、発電所から家庭まで電気を届ける送配電網を使うための料金で、電気料金に含まれている。各社は、物価や労務費、金利の上昇で送配電網の維持・更新にかかる費用が増えたことを理由に挙げている[1][2][3]。

託送料金の値上げ、家庭の電気代への影響

各社が公表した平均的な家庭のモデル(月260キロワット時)での影響は次のとおり。

  • 東北電力(従量電灯B・30A):月約485円の増加。基本料金は10アンペアあたり41.11円、電力量料金は1キロワット時あたり1.39円上がる[1]
  • 四国電力(従量電灯A):月8894円から9372円へ、478円の増加[2]
  • 沖縄電力(従量電灯):月9174円から9764円へ、590円(6.4%)の増加[3]

東京電力エナジーパートナーや中部電力ミライズなども11月1日から託送料金の見直し分を料金に反映すると発表している[4][5]。北陸エリアでは託送料金の見直しが行われないため、料金も変わらない[4]。

見直しは11月1日の使用分から適用される。10月31日をまたぐ月の料金は、10月までの使用分を旧単価、11月以降を新単価で日割りして計算する[3][4]。四国電力の自由料金プランのように、11月の検針日以降の使用分から適用し、12月の請求から反映されるものもある[2]。

物価・金利の上昇を受けた制度上の見直し

今回の見直しは、送配電会社の収入の上限を国が定める「レベニューキャップ制度」の期中調整によるものだ[5]。この制度では、送配電会社が5年ごとに事業計画と必要な収入を国に示し、それをもとに託送料金が決まる。2023〜2027年度の計画期間の途中で、想定を超える物価や金利の上昇があったことから、料金を見直すことになった。

沖縄電力は、物価や労務費の急激な上昇に加え、金利上昇に伴う支払利息の増加を、全国の電力ネットワークに共通する課題として挙げている[3]。送配電網は鉄塔や電線、変電所など設備の比重が大きく、資材費や工事費の上昇、借入金の利払い増がそのまま費用に跳ね返りやすい。

支援終了に続く負担増、企業向けは数%

家庭にとっては、2か月続けて電気代が上がる形になる。政府の電気・ガス料金支援は9月使用分で終わり、10月使用分から大手10社すべてで料金が上がっている(支援終了による値上がりの記事)。沖縄電力は、国の支援による割引が10月分で終了することも明記している[3]。

企業向けの影響も出る。沖縄電力の試算では、高圧電力Aの契約(80キロワット)で月約2万円、4.1%の増加となる[3]。家庭向けの増加率(6.4%)よりは低いが、電気を多く使う工場や店舗では金額が大きくなる。

冬の電気代、使用量が増えるほど差が開く

託送料金の上昇分は電力量料金にも上乗せされるため、使用量が多い家庭ほど負担増が大きい。四国電力の試算では、月1000キロワット時を使う従量電灯Bの契約で月1487円の増加となり、260キロワット時の家庭の約3倍にあたる[2]。暖房で電気を多く使う冬場は、モデルの数字以上に請求額が上がる家庭も多いだろう。

送配電網の老朽化対策や災害に備えた設備の強化は今後も続くため、その費用を誰がどう負担するかは中長期の課題になる。次の計画期間(2028年度から)の託送料金の算定に向けて、費用の中身を利用者に分かる形で示すことが、電力会社と国の双方に求められる。

脚注

  1. 東北電力「託送料金の変更に伴う電気料金の見直しについて」(2026年9月28日) https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1249044_2558.html
  2. 四国電力「【2026年11月実施】託送料金見直しに伴う低圧の電気料金の見直しについて」 https://www.yonden.co.jp/publish/page_37.html
  3. 沖縄電力「託送料金の改定に伴う電気料金の見直しについて」(2026年9月28日) https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2026/260928.pdf
  4. 東京電力エナジーパートナー「低圧の料金メニューの見直しについて」 https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/teiatsu_minaoshi_2026.html
  5. 中部電力ミライズ「2026年11月 電気料金単価の見直しについて」 https://miraiz.chuden.co.jp/revision202611/
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