
加熱式たばこが10月1日から値上げされる。日本たばこ産業(JT)、フィリップ・モリス・ジャパン、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)ジャパンの大手3社が、それぞれ1箱20〜40円引き上げる。加熱式たばこにかかる税の仕組みを改める「課税方式の見直し」の第2段階に伴うもので、4月に続いて半年で2度目の値上げとなる[1][2]。
加熱式たばこ各社の主な値上げ
主な銘柄の新しい価格は次の通りだ[3][4][5]。
- JT「プルーム」用(全31銘柄、一律40円増) エボ 580円→620円、メビウス 550円→590円、キャメル 530円→570円
- フィリップ・モリス「アイコス」用 テリア 620円→640円、センティア 570円→590円、ミックス 560円→590円
- BAT「グロー」用(33銘柄) ヴァルト 580円→600円、ネオ 530円→570円、ケント 520円→550円、ラッキー・ストライク 480円→500円
JTは7月15日に財務相へ価格改定の認可を申請していた[3]。フィリップ・モリスは7月27日、加熱式たばこ54銘柄の小売定価改定を財務相に認可申請したと発表した[4]。今回の値上げは加熱式たばこが対象で、紙巻きたばこは含まれない[2]。
紙巻きとの税負担の差を解消
今回の値上げのもとになっているのは、加熱式たばこの課税方式の見直しだ。財務省は、紙巻きたばことの税負担の差をなくすことを目的に挙げ、消費者への影響を考えて2026年4月と10月の2段階に分けて実施するとしている[1]。4〜9月は旧方式と新方式を半分ずつ組み合わせた経過措置で、10月からは重さに応じて紙巻きの本数に換算する新しい方式に完全に移った[1]。
さらに、防衛力強化の財源確保のため、国税であるたばこ税の税率を2027年4月、2028年4月、2029年4月の3段階で、それぞれ1本あたり0.5円ずつ引き上げることも決まっている[1]。1本あたりの税率が上がるため、紙巻きだけでなく、紙巻きの本数に換算して課税される加熱式にも及ぶ[1]。たばこの値上がりは、今後も数年にわたって続く見通しだ。
1日1箱なら年1万円超の負担増
1日1箱を吸う人の場合、40円の値上げでも年間では約1万4600円の負担増になる。JTのプルーム用は3月と比べて計70円上がったとの指摘もあり[6]、半年で2度の値上げは喫煙者の家計に重くのしかかる。
健康と税収、二つの目的のはざまで
加熱式たばこは紙巻きより健康への害が少ないとうたわれて普及してきたが、長期的な影響はまだ十分に分かっていない。税負担をそろえることは、「加熱式だから安い」という価格面の優位をなくす意味を持つ。
一方で、たばこ税の引き上げは、財源の確保策として繰り返し使われてきた。喫煙率が下がれば税収も減るため、税率を上げ続けなければ税収を保てない構図がある。健康を守るための増税なのか、財源を得るための増税なのか。目的をはっきりさせたうえで、喫煙者の負担と禁煙支援のあり方を合わせて考える必要がある。
脚注
- 財務省「たばこ税等に関する資料」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d09.htm
- マイナビニュース「2026年10月も『たばこ』値上げへ - 主要銘柄は1箱いくらになる? 高くなる理由は」(2026年8月31日) https://news.mynavi.jp/article/20260831-4858403/
- 日本たばこ産業「加熱式たばこに係る課税方式の見直しに伴う たばこの小売定価改定の認可申請について」(2026年7月15日) https://www.jti.co.jp/investors/library/press_releases/20260715_J01.html
- フィリップ モリス ジャパン「たばこ製品の小売定価改定の認可申請について」(2026年7月27日) https://www.pmi.com/content/dam/pmicom/markets/japan/docs/20260727-pmj-pressrelease-application-for-approval-of-retail-price-revision.pdf
- 価格.com「BAT、glo専用スティック33銘柄について10月1日に価格改定」 https://news.kakaku.com/prdnews/cd=other/ctcd=6598/id=158199/
- shishadex「JT『プルーム』全31銘柄、10月にさらに40円値上げ申請 3月比で計70円増に」 https://shishadex.com/news/jt-ploom-october-price-hike-2026/

