特定技能「物流倉庫」の試験開始 外国人材の受け入れへ

国土交通省は2026年10月26日、在留資格「特定技能1号」の物流倉庫分野の評価試験を始めたと発表した[1]。物流倉庫は2026年1月に特定技能の対象に加わった新しい分野で、この試験に合格することが在留資格を得る条件の一つになる[1]。同日から申し込みの受け付けを始めた。

特定技能・物流倉庫の試験、どう受けるか

試験は一般財団法人日本海事協会が実施する[1]。受験の方式は2つある。

  • 出張方式:受験者を雇う予定の企業などが会場を選び、日程を事前に調整して紙の試験を行う
  • CBT方式:テストセンターでパソコンを使って受ける

CBT方式は委託先の準備が続いているため、当面は出張方式の紙の試験から始める[1]。受験資格や手数料、会場などの詳細は日本海事協会の試験ポータルで案内している[2]。

受け入れ見込みは特定技能1万1400人

特定技能は、人手不足が深刻な分野で一定の技能と日本語能力を持つ外国人を受け入れる在留資格で、2019年に始まった。2026年1月に物流倉庫などが対象分野に加わった[1]。

出入国在留管理庁の資料によると、物流倉庫分野の受け入れ見込み数は、特定技能で1万1400人、2027年4月に始まる育成就労で6900人、合わせて1万8300人とされている[3]。見込み数は、その分野で受け入れる人数の上限として運用される。

倉庫の人手不足と外国人材

物流の現場では、トラック運転手の時間外労働の上限規制が2024年4月に始まり、輸送力の確保が課題になってきた。トラック運転手は先行して特定技能の自動車運送業分野で受け入れが進んでいる。倉庫での荷役や仕分け、ピッキングといった作業でも人手不足が続いており、今回の試験開始で、倉庫の現場にも外国人材が特定技能として入る道が実際に開く。

国交省は物流の効率化に向けて、荷物の受け渡しのルールやパレットなどの標準化も進めている[4]。人を増やすことと、作業そのものを減らす取り組みを並行して進める形だ。

現場で定着するかが次の課題

試験が始まっても、実際に働き始めるまでには、雇用契約の締結や在留資格の申請、生活支援の体制づくりが必要になる。最初の合格者がいつ、どの程度の人数出るかは、紙の試験を申し込む企業の数にかかっている。

倉庫作業はフォークリフトの操作など安全にかかわる業務も多い。日本語での安全教育や、受け入れ企業による支援が十分に行き届くかどうかで、上限の1万1400人という枠がどこまで使われるかも変わってくるだろう。CBT方式の開始時期と、最初の合格者数の公表が当面の目安になる。

脚注

  1. 国土交通省「「物流倉庫分野」特定技能1号評価試験を開始します」(2026年10月26日) https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu02_hh_000086.html
  2. 日本海事協会「特定技能評価試験ポータル」 https://sswt-portal.classnk.or.jp/
  3. 出入国在留管理庁「特定技能制度及び育成就労制度の受入れ見込数について(案)」 https://www.moj.go.jp/isa/content/001452589.pdf
  4. 国土交通省「第5回「官民物流標準化懇談会」を開催します」(2026年10月26日) https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_001047.html
おすすめの記事