
高市早苗首相は現地時間2026年9月22日午後1時5分から約35分間、国連総会出席のため訪れていた米ニューヨークで、トランプ米大統領と会談した。外務省によると、両首脳は2日後に控えた米中首脳会談も念頭に、経済安全保障を含む中国をめぐる課題について意見を交わし、日米で緊密に連携していくことで一致した[1]。
外務省が発表した日米首脳会談の内容
外務省の発表から、両首脳が確認した主な点を挙げる[1]。
- 2025年10月のトランプ氏の訪日と2026年3月の首相の訪米の成果を踏まえ、経済安全保障や経済、安全保障の協力を強め、同盟をさらに強固にする
- AI、半導体、重要鉱物の分野で、技術競争に勝ち強靱性を高めるための経済安全保障の協力が進んでいることを確認し、さらに強化する
- 関税に関する日米合意の着実な実施が重要だと改めて確認する
- 同盟の抑止力・対処力の強化に向けた取り組みを進める
- 北朝鮮の完全な非核化への決意を確認し、拉致問題の即時解決にトランプ氏から全面的な支持を得る
- 日米豪印(Quad)などの枠組みの重要性を確認し、「自由で開かれたインド太平洋」を推進する
ICCをめぐる「率直なやり取り」
発表の最後には、両首脳が国際刑事裁判所(ICC)などについて「率直なやり取り」を行ったとの一文が添えられた[1]。ICCの所長は日本出身の赤根智子判事が務めている[3]。
一方のホワイトハウスは、同じ時期に国連での成果をまとめた文書で、トランプ氏がICCの「行き過ぎ」を理由に制裁を科し、国務省が米国の主権に対するICCの脅威を取り除くための取り組みを始めたと誇っている[2]。米国による制裁と日本の姿勢については、ICC制裁で日本の姿勢が焦点になっていることを伝えた記事で詳しく報じている。
発表文の言葉から読めること
外交の発表文では、「一致した」と「意見交換を行った」は意味が違う。今回、中国をめぐる課題やインド太平洋情勢は「意見交換」とされつつ、連携の方針では「一致」と書かれた。ICCについては一致も確認もなく、「率直なやり取り」という表現にとどまった。外交の場でこの言い回しが使われるとき、多くは立場が食い違ったことを示す。
米中首脳会談の直前に、経済安全保障と対中政策での連携を首脳同士で確かめたことは、日本にとって一定の成果といえる。ただ、米中の取引の中身を日本が左右できるわけではない。35分の会談で確認した「緊密な連携」が実際に何を意味するのかは、2日後の米中会談と、その後の日米の協議で問われることになる。
脚注
- 外務省「日米首脳会談」(2026年9月22日) https://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/pageit_000001_00012.html
- The White House "President Trump Delivers Powerful America First Message to the United Nations"(2026年9月、英語) https://www.whitehouse.gov/releases/2026/09/president-trump-delivers-powerful-america-first-message-to-the-united-nations/
- International Criminal Court "The Presidency"(英語) https://www.icc-cpi.int/about/presidency

