
米商務省経済分析局(BEA)は2026年10月29日午前8時30分(日本時間同日午後9時30分)、7〜9月期の米GDP速報(実質国内総生産の速報値)を発表する[1]。同じ時刻に9月の個人所得・個人消費支出も公表され、景気と物価の両面の最新の数字が一度にそろう。
米GDP速報と個人所得統計の発表予定
- 10月29日 午前8時30分(米東部時間):GDP速報値(2026年7〜9月期)
- 同 午前8時30分:個人所得・個人消費支出(2026年9月)
- 11月25日:GDP改定値(7〜9月期)と企業収益
米国では11月1日に夏時間が終わるため、29日の発表は日本時間で午後9時30分になる。
4〜6月期は年率2.2%増に減速
BEAが9月30日に公表した確報値によると、4〜6月期の実質GDPは前期比年率2.2%増だった[2]。1〜3月期の2.5%(改定)からやや減速した。成長を支えたのは個人消費、投資、輸出で、GDPの計算で差し引かれる輸入は増えた。州別では、ニューヨーク州の4.0%増からウェストバージニア州の2.3%減まで差が開いた。
8月は消費が伸び、物価も高止まり
7〜9月期の行方を占う材料が、8月の個人所得・支出統計だ[3]。
- 個人消費支出(名目):前月比0.9%増(1908億ドル増)。物価を除いた実質でも0.6%増
- 個人所得:0.2%増。可処分所得は0.3%増だが、物価を除いた実質では横ばい
- 個人消費支出(PCE)物価指数:前年同月比3.4%上昇。食品とエネルギーを除くコアは3.0%上昇
- 貯蓄率:4.1%
8月は、実質の所得が増えないなかで消費が大きく伸び、そのぶん貯蓄率が下がった形になっている。
読みどころは消費の持続力と物価
今回の発表で注目されるのは、まず7〜9月期の成長率が4〜6月期の2.2%を上回るかどうかだ。8月の強い消費が9月も続いていれば、個人消費の寄与が成長率を押し上げる可能性がある。逆に、所得の伸びが鈍いなかで9月に消費が息切れしていれば、成長率は伸び悩む。
物価では、PCE物価指数のコアが前年比3%台にとどまるかが焦点になる。米連邦準備制度理事会(FRB)はこの指数を物価目標の基準にしており、2%の目標とはなお開きがある。所得の伸びを上回る消費が続けば、物価の高止まりと貯蓄の取り崩しが同時に進むことになる。GDPの数字が強くても、その中身が貯蓄を削った消費に支えられたものなのかを見極める必要がある。
脚注
- U.S. Bureau of Economic Analysis「Release Schedule」 https://www.bea.gov/news/schedule
- U.S. Bureau of Economic Analysis「GDP (Third Estimate), Industries, Corporate Profits, State GDP, and State Personal Income, 2nd Quarter 2026」(2026年9月30日) https://www.bea.gov/news/2026/gdp-third-estimate-industries-corporate-profits-state-gdp-and-state-personal-income-2nd
- U.S. Bureau of Economic Analysis「Personal Income and Outlays, August 2026」(2026年9月30日) https://www.bea.gov/news/2026/personal-income-and-outlays-august-2026

