ベトナムのトー・ラム書記長、11月8日から来日へ

政府は2026年10月23日の閣議で、ベトナム共産党中央執行委員会のトー・ラム書記長兼国家主席と夫人を、11月8日から11日まで公式実務訪問賓客として迎えることを了解した[1]。書記長は来日中、高市早苗首相と会談するほか、天皇皇后両陛下との会見や宮中午餐が予定されている[1]。

ベトナムの書記長兼国家主席が来日、日程の概要

木原官房長官が23日の記者会見で発表した[1]。訪日の主な予定は次のとおり[1]。

  • 期間:11月8日〜11日(公式実務訪問賓客として接遇)
  • 天皇皇后両陛下との会見、宮中午餐
  • 高市首相との首脳会談

官房長官は会見で、日本とベトナムは「包括的戦略的パートナー」として、安全保障、経済、経済安全保障、人的交流の幅広い分野で関係を強め、国際社会での連携も深めてきたと説明した[1]。そのうえで、今回の訪日を通じて両国の友好協力関係が一段と深まることへの期待を示した[1]。

ベトナムでは共産党の書記長が最高指導者にあたる。トー・ラム氏は党の書記長と国家元首である国家主席を兼ねる立場で来日する[1]。

在日ベトナム人は69万人、特定技能では最多

両国関係を支える柱の一つが人の往来だ。出入国在留管理庁によると、2026年6月末時点で日本に住むベトナム国籍の人は69万3750人で、中国(94万1031人)に次いで2番目に多い[2]。前年末から1万2650人増えた[2]。

人手不足の分野で外国人を受け入れる在留資格「特定技能1号」では、ベトナム国籍が16万3154人と全体の38.3%を占め、国籍別で最も多い[3]。ただ、前年末からの増加率は2.9%にとどまり、23.9%増えたインドネシアなどに比べて伸びは鈍っている[3]。

10月下旬からアジアの首脳の来日が続く

11月の訪日に先立ち、10月26日から29日まではバングラデシュのタレク・ラーマン首相夫妻が実務訪問賓客として来日し、高市首相と会談する予定だ[4]。官房長官は、同国との戦略的パートナーシップの強化に期待を示している[4]。

南アジア、東南アジアの首脳の来日が続くなかで、ベトナムの最高指導者を迎える日程が固まった形だ。

人材の受け入れ競争と安全保障の協力

ベトナムは在留外国人で2番目に多く、特定技能ではいまも最多だ。ただ、インドネシアやミャンマーが2割前後のペースで増えるなかで、ベトナムの伸びは3%弱にとどまる。人材の送り出し国としての存在感がどう変わっていくかは、両国の人的交流を考えるうえで見過ごせない変化であり、首脳会談でも人の往来を支える仕組みが話題になる可能性がある。

一方、官房長官は協力分野の最初に安全保障と経済安全保障を挙げた。安全保障の協力や、サプライチェーン(供給網)の多様化といった経済安全保障の分野で、具体的な合意がどこまで示されるかが、11月の会談の成果を測る目安になりそうだ。

脚注

  1. 首相官邸「令和8年10月23日(金)午前 内閣官房長官記者会見」(閣議の概要/ラム・ベトナム共産党書記長兼国家主席夫妻の訪日について) https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202610/23_a.html
  2. 出入国在留管理庁「令和8年6月末における在留外国人数について」 https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00070.html
  3. 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(2026年9月) https://www.moj.go.jp/isa/content/001459490.pdf
  4. 首相官邸「令和8年10月20日 内閣官房長官記者会見」(ラーマン・バングラデシュ首相夫妻の訪日について) https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202610/20_p.html
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