
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)が2026年10月26日に発表した2026年1〜9月期の連結決算は、営業利益が前年同期比22.8%増の469億1500万円だった[1]。売上高は3.2%増の5076億7000万円で、伸びは小さいものの、IT事業で採算の良い商品やサービスの比率が高まり、利益が大きく増えた[1]。
12月期通期の予想は7月に示した売上高6850億円、営業利益630億円のまま据え置いた[1][2]。
キヤノンMJの決算、4事業とも増益
1〜9月期の事業別の売上高とセグメント利益は次のとおり[1]。
- エンタープライズ(大企業向け):売上高2053億円(4.1%増)、利益168億円(19.8%増)
- エリア(中堅・中小企業向け):売上高1775億円(0.4%減)、利益185億円(15.2%増)
- コンスーマ(個人向け):売上高1014億円(4.2%増)、利益95億円(30.6%増)
- プロフェッショナル(印刷・産業機器・医療):売上高363億円(4.1%増)、利益40億円(11.1%増)
中堅・中小企業向けのエリア事業は売上高が前年を下回ったが、利益は15%増えた。会社は、付加価値の高い商品・サービスの比率が上がったことと、販売管理費を抑えたことを理由に挙げている[1]。
ウィンドウズ特需の反動をITサービスで補う
2025年はウィンドウズ10の延長サポート終了を前に、企業や個人のパソコン買い替えが集中した。キヤノンMJの決算でも、今年はその反動で業務用パソコンの入れ替え需要が減ったことが、エンタープライズとエリアの両事業の説明に出てくる[1]。
それを補ったのがシステム構築やサービスだ。大企業向けでは文教向けのIT基盤の大型案件や製造業向けのシステム構築が伸び、中小企業向けでもランサムウェア対策ソフトなどのセキュリティや、経営とDXをまとめて支援する「まかせてIT」の契約が増えた[1]。機器の販売から、継続して収益が入るサービスへの比重移動が数字に表れた形だ。
個人向けでは、ミラーレスカメラの新製品が売り上げを支えたほか、メモリー価格の高騰を見越してポータブルSSDやメモリーカードの駆け込み需要があった[1]。インクジェットプリンターとインクは市場の縮小で減収だった[1]。
通期予想には上積みの余地
1〜9月期の営業利益469億円は、通期予想630億円の74%にあたる。10〜12月期に残り161億円を稼げば予想に届く計算だ。前年同期の1〜9月期の営業利益は382億円で、2025年12月期通期の営業利益は約582億円(通期予想の前期比8.3%増から逆算)だったから、前年の10〜12月期はおよそ200億円を稼いでいたことになる[1]。
会社はメモリーの供給制約や値上げ、中東情勢によるエネルギー価格の上昇を不透明要因に挙げつつ、事業への直接の影響は軽微とみている[2]。前年並みの年末需要があれば予想を上回る可能性もあり、来年の本決算で示す新年度計画とあわせて、IT投資の強さがどこまで続くかを見極める局面になる。
脚注
- キヤノンマーケティングジャパン「2026年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年10月26日) https://corporate.jp.canon/-/media/Project/Canon/CanonJP/Corporate/ir/library/pdf/2026/ta-2026-3q-all.pdf
- キヤノンマーケティングジャパン「2026年12月期 第3四半期決算を発表しました。」(2026年10月26日) https://corporate.jp.canon/ir/news/2026/1026-01

