ECB理事会、29日に結果 物価3.8%で追加利上げ焦点

欧州中央銀行(ECB)は2026年10月28日と29日に政策理事会を開き、29日に金融政策を発表する[1]。ECBは6月と9月に政策金利を0.25%ずつ引き上げ、預金ファシリティー金利は2.50%になっている[2]。ユーロ圏の物価上昇率が9月に3.8%まで高まるなか、追加利上げに踏み切るかが焦点だ[3]。

決定内容の発表は中央ヨーロッパ時間の29日午後2時15分(日本時間同日午後10時15分)、ラガルド総裁の記者会見は午後2時45分(同10時45分)からの予定だ[1]。

ECBの政策金利、2026年に2度の利上げ

ECBの主要政策金利の推移は次のとおり(適用開始日)[2]。

  • 2025年6月11日:預金ファシリティー金利2.00%、主要リファイナンス金利2.15%
  • 2026年6月17日:預金ファシリティー金利2.25%、主要リファイナンス金利2.40%
  • 2026年9月16日:預金ファシリティー金利2.50%、主要リファイナンス金利2.65%

ECBは2024年から2025年6月にかけて利下げを続け、預金金利を2.00%まで下げていた[2]。1年ほど据え置いたあと、2026年6月に利上げへ転じ、9月にも続けた。今回の理事会は、9月の利上げ後の最初の会合になる。

9月のユーロ圏物価は3.8%、エネルギーが18.9%上昇

欧州連合統計局(ユーロスタット)が10月16日に公表した9月のユーロ圏の消費者物価(HICP)は、前年同月比3.8%上昇だった[3]。8月の3.2%から伸びが拡大し、1年前(2.2%)の倍近い水準だ。

品目別では、エネルギーが18.9%上昇し、物価全体の伸びのうち1.71ポイント分を押し上げた[3]。サービスは3.2%、エネルギー以外の工業製品は1.1%、食料・アルコール・たばこは1.3%の上昇で、物価の加速はエネルギーへの偏りが大きい[3]。

主要国では、イタリアが4.2%、フランスが3.4%、ドイツが3.3%だった[3]。EU全体でも3.8%で、前月から伸びが高まった国は27か国中23か国にのぼる[3]。

エネルギー高をどう見るか

利上げを続けるかどうかの判断は、エネルギー価格の上昇が一時的なものか、賃金やサービス価格に広がるかにかかっている。サービスの上昇率は3.2%と8月から0.2ポイントの上昇にとどまっており、エネルギー以外の工業製品も1%程度と落ち着いている[3]。数字の上では、物価の加速はまだエネルギーが主因だ。

一方で、ECBの物価目標は2%で、全体の上昇率はその2倍近い。エネルギー高が長引けば、企業の価格設定や賃上げ交渉に波及するおそれがある。こうした点をにらんで、6月と9月の2度にわたり利上げしてきた経緯がある。

米国・日本と同じ週、29日夜は金融政策が集中

今週は日米欧の中央銀行の会合が重なる。米連邦準備制度理事会(FRB)は28日(日本時間29日未明)に連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表し(FOMCに関する記事)、日銀は29・30日に金融政策決定会合を開く(日銀の会合に関する記事)。

ECBが追加利上げに動けば、ユーロ圏との金利差を通じて為替にも影響しうる。据え置く場合でも、12月16・17日の次回理事会[1]に向けて利上げを続ける姿勢を示すかどうかで市場の受け止めは変わるだろう。会見でラガルド総裁がエネルギー高の波及をどう評価するかが、年末にかけての欧州の金利の方向を占う手がかりになる。

脚注

  1. European Central Bank「Meetings of the Governing Council and General Council」 https://www.ecb.europa.eu/press/calendars/mgcgc/html/index.en.html
  2. European Central Bank「Key ECB interest rates」 https://www.ecb.europa.eu/stats/policy_and_exchange_rates/key_ecb_interest_rates/html/index.en.html
  3. Eurostat「Annual inflation up to 3.8% in the euro area」(2026年10月16日) https://ec.europa.eu/eurostat/web/products-euro-indicators/w/2-16102026-ap
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