卸売販売額、東京に4割集中 経済構造実態調査

総務省は2026年10月28日、「2025年経済構造実態調査」の三次集計結果(産業横断調査・事業所に関する集計)を公表した[1][2]。2024年1年間の事業所の売上高を都道府県別にみると、卸売業の年間商品販売額は東京都が213兆1046億円で、全国の41.9%を占めた。製造業では愛知県が61兆2435億円と、全国の15.2%を占めて最も多かった。

経済構造実態調査、都道府県別の主な結果

売上高が大きい3つの産業について、上位の都道府県は次のとおり[1]。

  • 卸売業、小売業(全国703兆円):東京都251兆417億円(35.7%)、大阪府73兆7715億円(10.5%)、愛知県52兆4653億円(7.5%)
  • 製造業(全国403兆円):愛知県61兆2435億円(15.2%)、大阪府22兆947億円(5.5%)、神奈川県20兆8044億円(5.2%)
  • 医療、福祉(全国146兆円):東京都34兆5718億円(23.6%)、大阪府10兆1061億円(6.9%)、神奈川県8兆3074億円(5.7%)

卸売業と小売業を分けた年間商品販売額では、卸売業が東京都213兆1046億円(41.9%)、大阪府59兆1037億円(11.6%)、愛知県41兆689億円(8.1%)。小売業は東京都25兆754億円(15.7%)、大阪府11兆6427億円(7.3%)、神奈川県10兆2819億円(6.4%)の順だった。

卸売は東京、製造は愛知に偏る

数字を比べると、産業ごとに集中の度合いが大きく違う。卸売業では東京都が2位の大阪府の3.6倍で、東京・大阪・愛知の3都府県だけで全国の6割を超える。一方、店舗が全国に散らばる小売業では、東京都の割合は15.7%にとどまる。

卸売業の販売額は、取引を行う事業所の所在地で集計される。商社や大手卸の本社・本店が東京に集まっていることが、41.9%という割合につながっているとみられる。製造業は工場の所在地で数えるため、自動車産業が集積する愛知県が2位の大阪府の約2.8倍となった。

売れ筋の業種は食品と電機、自動車

業種別では、卸売業のうち「食料・飲料卸売業」が62兆6206億円で卸売業全体の12.3%と最も多く、「電気機械器具卸売業」が61兆4153億円(12.1%)、「医薬品・化粧品等卸売業」が42兆8925億円(8.4%)と続いた[1]。小売業では「各種食料品小売業」(24兆3794億円)、「自動車小売業」(23兆3712億円)、「燃料小売業」(13兆9157億円)の順だった。

前年との比較には注意

今回の調査は、令和6年経済センサス‐基礎調査の結果を反映した新しい事業所の名簿で集計している。総務省は、前年の調査と比べる際には、調査の対象外だった企業の扱いが異なる点に注意するよう求めている[1]。売上高は原則として消費税込みで、建設業や電気・ガス業など事業所単位で売上高を把握していない産業は集計に含まれない。

こうした前提を踏まえても、取引の拠点が東京に集中し、生産の拠点が地方に分散する構図ははっきりしている。地方の工場で生まれた付加価値の取引が東京の事業所で計上される実態は、地域ごとの経済力を売上高だけで測る難しさも示している。

脚注

  1. 総務省統計局「2025年経済構造実態調査 三次集計結果 産業横断調査(事業所に関する集計)結果の概要」(2026年10月28日) https://www.stat.go.jp/data/kkj/kekka/pdf/2025gaiyo3.pdf
  2. 総務省「『2025年経済構造実態調査』三次集計結果 産業横断調査(事業所に関する集計)」(2026年10月28日) https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei05_01000348.html
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