
工作機械用の数値制御装置(CNC)や産業用ロボット大手のファナックは2026年10月23日、2026年4〜9月期(中間期)の連結決算を発表した[1]。売上高は前年同期比16.2%増の4737億円、純利益は41.0%増の1126億円だった[1]。あわせて通期の業績予想を引き上げ、売上高は1兆137億円と初めて1兆円を超える見通しを示した[1][2]。
ファナックの中間決算、主な数字
| 項目 | 2026年4〜9月期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4737億円 | 16.2%増 |
| 営業利益 | 1166億円 | 35.7%増 |
| 経常利益 | 1490億円 | 38.1%増 |
| 純利益 | 1126億円 | 41.0%増 |
売上高に対する営業利益の割合(営業利益率)は約24.6%で、前年同期の約21.1%から3.5ポイントほど上がった(いずれも短信の数字から計算)[1]。中間配当は1株72.54円と、前年同期の51.33円から増やした[1]。
4部門すべてで増収、ロボマシンは31%増
部門別の売上高は次のとおり[1]。
- FA部門(CNCシステムなど):1198億円(15.4%増)
- ロボット部門:1943億円(12.6%増)
- ロボマシン部門(小型切削加工機ロボドリルなど):832億円(31.2%増)
- サービス部門:762億円(12.7%増)
FA部門は、主な顧客の工作機械業界で中国とインドの需要が旺盛だったほか、国内でも工作機械メーカーの好調な輸出が支えた[1]。低調だった欧州にも回復の兆しが出ているという[1]。ロボット部門は米州で自動車向けと一般産業向けがともに堅調で、国内も自動車向けが持ち直した[1]。中国でも、伸び悩んだ自動車向けの分を一般産業向けで埋め、増収を確保した[1]。
7〜9月の受注は49%増、FAは2倍超
先行きを占う受注も強い。決算説明会資料によると、7〜9月期の受注高は3060億円で、前年同期比49.0%増、前四半期比でも8.5%増えた[2]。部門別ではFAが前年同期比130.1%増、ロボマシンが72.3%増と大きく伸びた[2]。
地域別の構成比では、中国が29.8%、米州が21.1%、中国以外のアジアが21.3%だった[2]。中国以外のアジアは前年同期の15.0%から比率を高めている[2]。
通期予想を上方修正、下期は1ドル150円を想定
2027年3月期の通期予想は、7月時点から次のとおり引き上げた[1]。
- 売上高:9481億円 → 1兆137億円(6.9%上方修正、前期比18.2%増)
- 営業利益:2180億円 → 2407億円(10.4%上方修正)
- 純利益:1980億円 → 2283億円(15.3%上方修正、前期比37.1%増)
会社は、売上高が過去最高だった2025年度を上回るとしている[2]。下期の為替レートは1ドル150円、1ユーロ175円を想定した[1]。上期の実績は1ドル159.37円だった[2]。
設備投資の追い風と、円高想定の重さ
受注の伸びがここまで大きいのは、中国やインドを中心に工作機械向けの需要が戻ってきたためだ。国内でも、8月の機械受注は前月比5.2%増えており、設備投資の流れは国内外で続いている。FAの受注が2倍を超えたことは、工作機械の生産がこれから増えることを示す先行指標として読める。
一方、下期は上期より約9円の円高を前提に置いている。それでも通期で売上1兆円を超える見通しを示したのは、上期の受注の伸びを踏まえた判断だろう。ただ、受注に占める中国の比率は3割近くあり、中国の設備投資が鈍れば影響は小さくない。次の四半期決算で示される10〜12月期の受注で、今回の勢いが続くかどうかが確かめられる。
脚注
- ファナック「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年10月23日) https://www.fanuc.co.jp/ja/ir/announce/pdf/2026/financialresult202609.pdf
- ファナック「2026年度第2四半期決算説明会資料」(2026年10月23日) https://www.fanuc.co.jp/ja/ir/announce/pdf/2026/reference202609.pdf

