
信越化学工業が2026年10月27日に発表した2026年4〜9月期(中間期)の連結決算は、売上高が前年同期比10.6%増の1兆4206億円、営業利益が15.6%増の3859億円、純利益が11.3%増の2869億円だった[1]。データセンター向けのAI投資で半導体材料の需要が強く、電子材料事業の利益が大きく伸びた。2027年3月期の通期予想は据え置いた。
信越化学の中間決算、主な数字
- 売上高:1兆4206億円(前年同期比10.6%増)
- 営業利益:3859億円(15.6%増)
- 経常利益:4151億円(13.0%増)
- 純利益:2869億円(11.3%増)
- 中間配当:78円(普通配当58円+創立100周年記念配当20円)
四半期ごとに見ると、7〜9月期の営業利益は2121億円で、4〜6月期の1737億円から増えた[1]。会社は決算短信で、7〜9月の営業利益が前年同期に対して27%増えたと説明している。
電子材料は28%増益、供給が逼迫する製品も
セグメント別では、半導体シリコンウエハーなどを含む電子材料事業の売上高が16%増の5777億円、営業利益が28%増の2189億円だった[1]。会社は、データセンターを中心としたAI関連投資で半導体市場が大きく伸び、いくつかの製品群で供給が逼迫したと説明する。供給の調整と価格改定を進めて売上を伸ばした。
シリコーンなどの機能材料事業も、営業利益が31%増の632億円と好調だった。加工・商事・技術サービス事業は、半導体ウエハー関連の容器の需要が堅調で、営業利益が28%増えた[1]。この容器を手がける子会社の信越ポリマーは、10月に今期予想を上方修正している(信越ポリマー、今期予想を上方修正 半導体容器が好調)。
塩化ビニルは市況の軟化で減益
4事業のうち唯一減益だったのが、塩化ビニルとか性ソーダを扱う生活環境基盤材料事業だ。売上高は4%増の5221億円だったが、営業利益は16%減の862億円にとどまった[1]。決算短信によると、5月後半にアジアと周辺地域で在庫の過多と需要の鈍化から市況が軟化した。7月には値上げを通したものの、その後の市況は一進一退だったという。
前年同期の電子材料の営業利益は生活環境基盤材料の約1.7倍だったが、今期は約2.5倍に開いた。利益の重心が、景気に左右されやすい汎用樹脂から、AI投資に連動する半導体材料へ移っていることがはっきり表れた。
通期予想は据え置き、上期で55%を確保
2027年3月期の通期予想は、売上高2兆7000億円(前期比4.9%増)、営業利益7000億円(10.2%増)、純利益5250億円(10.7%増)のまま変えなかった[1]。上期の営業利益は通期予想の約55%にあたり、下期に上期並みの利益を出せば予想を上回る計算になる。
会社は4月に決めた最大2500億円の自社株買いを7〜8月に終えており、期末の配当予想は58円、年間で136円とする[1]。半導体材料の需要が続く一方で、下期は塩化ビニルの市況がどこまで持ちこたえるかが利益の上振れを左右しそうだ。会社は11月13日に半期報告書を提出する予定だ。
脚注
- 信越化学工業「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年10月27日) https://www.shinetsu.co.jp/wp-content/uploads/2026/07/20261027_con_J.pdf

