中小製造業の設備投資、26年度は17.7%増の計画

日本政策金融公庫(日本公庫)総合研究所は2026年10月27日、第135回中小製造業設備投資動向調査の結果を公表した[1]。従業員20人以上300人未満の中小製造業による2026年度の国内設備投資額(修正計画)は3兆3237億円で、25年度実績の2兆8234億円から17.7%増える見通しだ。25年度は前年度比3.5%減だっただけに、投資の回復が鮮明になった。

中小製造業の設備投資、計画の中身

調査は年2回あり、今回は9月上旬時点の修正計画だ。4月時点の当初計画は25年度実績比1.7%増の2兆8727億円で、5か月ほどで計画額が4500億円余り積み上がった計算になる[1]。上半期は前年同期比11.1%増、下半期は23.1%増を見込み、年度後半に投資が集中する。

投資の内容別では次のとおりだ[1]。

  • 機械・装置:1兆9151億円(28.0%増)、構成比57.6%
  • 建物・構築物:1兆259億円(16.8%増)
  • 土地:1968億円(10.2%減)
  • 船舶・車両・運搬具・工具などの備品:1858億円(19.1%減)

業種別は10業種で増加、能力拡充が伸びる

17業種のうち10業種で25年度実績を上回った。伸びが大きいのはプラスチック製品(43.4%増)、業務用機械(42.1%増)、化学(39.0%増)などで、窯業・土石(34.8%増)も3割台の増加を見込む[1]。一方、非鉄金属や繊維・繊維製品などは減少する計画だ。

目的別の構成比は「更新、維持・補修」が35.0%で最も高く、「能力拡充」が34.7%で続いた。25年度実績と比べると能力拡充の割合が上がり、「省力化・合理化」(13.0%)や「新製品・新規事業・研究開発」の割合は下がった[1]。人手不足への対応として省力化投資が注目されてきたが、今回の計画では生産能力そのものを増やす投資の伸びが目立つ。

当初計画との差が示すもの

4月の当初計画で1.7%増にとどまった投資が、9月時点で17.7%増に膨らんだ背景には、受注の見通しが立った企業が計画を上積みしたことが考えられる。業種別でも、鉄鋼(37.5%増)や食料品(36.0%増)など素材・生活関連の業種まで伸びが広がっている点が特徴だ。

景況感とも整合している。日本公庫が10月28日に公表した全国中小企業動向調査では、従業員20人以上の中小企業の業況判断DIが7〜9月期に7.2へ上昇した[2]。一方、従業者20人未満の小企業は▲23.1と足踏みが続いており、投資の回復は主に中規模の企業で起きているとみられる。

下期の23%増を実行できるか

計画額の6割近くは下半期に集中している。機械の納期や建設費の上昇で工事が後ろにずれれば、年度末の実績は計画を下回る可能性がある。年度末時点の実績見込みが、今回の17.7%増をどこまで保てるかが次の確認点になる。

脚注

  1. 日本政策金融公庫 総合研究所「第135回中小製造業設備投資動向調査 2026年度修正計画」(2026年10月27日) https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/news2026_10a.pdf
  2. 日本政策金融公庫 総合研究所「全国中小企業動向調査結果(2026年7-9月期実績、2026年10-12月期以降見通し)」(2026年10月28日) https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/smseach2026_10.pdf
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